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「だってこの人たち6年、ここ(日本学術会議)で働いたら、その後、学士院というところにいって、年間250万円年金もらえるんですよ(一同「えーっ」)。死ぬまで(一同再び「えーっ」)。みなさんの税金から。そういうルールになってるんです」

 

10月5日に放送された「バイキングMORE」(フジテレビ系)でそう語ったのは、フジテレビ報道局解説委員室上席解説委員の平井文夫氏(61)だ。

 

菅義偉首相(71)が日本学術会議の会員候補だった学者6人の任命を見送った問題について解説する中で出た発言。これには坂上忍(53)ら番組の出演者も驚愕し、思わず声を挙げた。すでにこの部分だけ抜き出した動画はツイッター上で拡散しているのだが、これは明確な誤りだ、という指摘が相次いでいるのだ。

 

《日本学士院は定員150名、終身会員です。日本学術会議の人が全員日本学士院に入れるはずがないだろ》
《この平井文夫氏のコメントは、あまりに出鱈目で、びっくりしました。学士院会員に年金が出るのは確かですが、学術会議とは別組織で、学術会議を辞めたら学士院に、などという「ルール」(平井氏はルールと言いました)はありません》

 

内閣府の特別機関である日本学術会議の会員数は210名。任期は6年で、3年ごとに約半数が入れ替わる。対して、日本学士院は文部科学省の特別機関であり、定員は150名で、会員は終身になっている。したがって、日本学術会議の会員を退任した者がすべて日本学士院の会員となることは、物理的に不可能なことなのだ。

 

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