ヒバクシャ国際署名キャンペーンリーダーの林田光弘さん。 画像を見る

核兵器の開発や保有、実験などすべての使用を禁止する「核兵器禁止条約」が来年1月22日に発効する。

 

ヒバクシャ国際署名キャンペーンリーダーの林田光弘さん(28)は、「今の時代、情報があふれているので、私たちが伝えたい情報が一人ひとりに届きづらい。そういう時代にもかかわらず、これだけ多くの人が賛同してくださったことには大きな意味があります」と、手応えを感じている。

 

16年春から広島、長崎の被爆者らが中心となり、すべての国に条約の参加を求めるために署名活動「ヒバクシャ国際署名」がスタート。今年9月の時点で1261万人分以上の署名が集まり、核兵器禁止条約の発効への原動力のひとつとなった。じつは、多くの主婦たちが先頭に立って署名集めに参加したという。

 

「特に多くの主婦の方は『子どもたちのためにこの世から一つでも核兵器がなくなってほしい』と積極的に活動に参加してくれました」

 

2020年1月の時点で核兵器保有数は世界で1万3,400発あり、9割はアメリカとロシアが保有している。日本政府は「核の傘」の下にあるとして署名を拒んでいる。

 

「両国の大統領はSNSにツイートするのと同じくらいラフな感覚で核のボタンを簡単に押せる状況下にあります。人間は誰しも感情的になって怒ってしまうことがあると思いますが、ある特定の国に対して感情的に憎しみが湧いてきたら、ツイートするのと同じ感覚でボタンを押すことができる。偶発的なリスクが常に伴います。たとえ日本から遠く離れたほかの地域に投下されたとしても、今の核兵器は広島、長崎に投下されたとの何千倍もの威力があります。また、一度使われると報復合戦によって大量の核兵器が使用され、「核の冬」と呼ばれる地球規模で気候変動が起こることも指摘されます。つまり、核兵器の問題は、自国だけでなく世界規模で捉えないといけないのです。

 

今後、日本の政治家の方が『核を持つ』という方向に舵を切ろうとしたときに、この署名がそうさせない説得力のひとつになるのです」

 

願いは意思に、意思は行動にーー。必死に声をあげてきた被爆者たちの背中を見て育った林田さんは、「被爆者の方たちが生きている間に核兵器のない世界を実現させたい」と、核兵器廃絶を訴え続けている。

 

ヒバクシャ国際署名
https://hibakusha-appeal.net/

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