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全国にスーパーセンターなどを展開するイオン株式会社の発表した“喫煙対策”が物議を呼んでいる。

 

1月25日、同社は今年3月までに国内115社の全事業社で「就業時間内禁煙」と「敷地内禁煙」を開始するとニュースリリース上で発表。対象人数はグループの従業員約45万人にのぼる。

 

16年度に従業員の健康を尊重する「イオン健康経営宣言」を発表し、19年7月に本社敷地内での全面禁煙化。昨年は新型コロナウイルスの感染防止も兼ねて全国のショッピングセンターで屋内の喫煙室(従業員用も含む)を閉鎖するなど、同社は積極的に“禁煙化”を推し進めてきた。今回の施策について、同社はリリースで次のように表明している。

 

「より快適で安全・安心なお買物環境をご提供するネクストステップとして、お客さま及び従業員間での望まない受動喫煙と三次喫煙を防止し、国内115社の全事業所における 『就業時間内禁煙』『敷地内禁煙』を実施してまいります」

 

今回、物議を呼んでいるのは“三次喫煙”防止の部分。三次喫煙とは、喫煙終了後に衣類や息などに残留した化学物質を非喫煙者が吸入すること。“残留受動喫煙”とも呼ばれ、同社リリースでは三次喫煙の起こりうる時間を“喫煙後約45分間”としている。つまり今回の施策によって、従業員が就業45分前に喫煙することは事実上不可能となる。

 

20年4月には健康増進法が改正され、飲食店での喫煙が大幅に制限されるなど喫煙に対する取り組みが強化されている昨今。SNS上では《イオンすごい! 禁煙広まれ!》《イオンの禁煙、続く企業たくさん出てきてほしい》と、イオンの“喫煙対策”を絶賛する声が相次いだ。

 

そのいっぽう、始業前から従業員の行動を実質的に制限することについてはこんな指摘も。

 

《イオンが、就業45分前からタバコを吸うなと言うお触れを出そうとして人権侵害と問題になっているが、これを「当然!」と同調しているに人は、ちょっとだけ落ち着いてくれ。これ「雇用主という絶対的に上の立場の者が、労働者の私生活まで侵害している」という、かなりヤバい話なんだ》
《イオンの出勤45分前から喫煙禁止ってその45分前から勤務時間扱いで給料発生するならいいかもしれんがそうじゃないならもはや人権侵害では》

 

しかし、プライベート時間での行動について制限をかけることが“人権侵害”だとする声もあるなか、“当たり前”と真っ向から反対する声もあり、論争状態となっている。

 

《イオンの出勤45分前から喫煙禁止で「頭おかしい」「人権侵害」ってツイート散見されるけど、パイロットとかは前日に飲酒禁止だし、杜氏なんかは年から年中納豆禁止だぞ……????》

 

就業45分前の喫煙について、イオン側からまだ正式なコメントは出ていないというが……。果たして、同社が出す結論はーー。

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