名古屋市の河村たかし市長もブレイクスルー感染したが、軽症だった(写真:共同通信) 画像を見る

2回ワクチンを接種したにもかかわらず、新型コロナに感染するブレイクスルー感染。「せっかくつらい副反応にも耐えたのに、そんな目にあいたくない」と思っているあなたに、対処法を教えますーー!

 

「9月7日に、福井県で報告された病院クラスターでは、感染者10人のうち、7人がワクチン接種を完了していました。札幌の老人ホームでも、入居者25人中24人がワクチン接種を2回済ませていたにもかかわらず、入居者6人の感染が判明したばかりです」(医療ジャーナリスト)

 

新型コロナワクチンを2回接種してから、約2週間で十分な免疫を得られる。だが、それでもコロナに感染する、いわゆる「ブレイクスルー感染」をする人が急増しているという。

 

いったいどんな人が感染するのか、重症化しやすいのか。専門家に聞いた。

 

【Q1】なぜブレイクスルー感染するの?

 

「そもそもワクチンの有効率は100%ではありません。特に現在の流行の中心であるデルタ株については、アルファ株よりも感染力が高く、入院リスクが2倍高いといわれているので、どうしても“網の目(ワクチン)”からこぼれ落ちてしまう“水(感染)”があるのです。ただし、重症化するケースは少なく、ほとんどが軽症です」(ナビタスクリニック理事長・久住英二さん)

 

ブレイクスルー感染する可能性もけっして高くない。

 

「査読前の論文ですが、ニューヨーク大学の研究者が行ったワクチン接種を完了した約12万6,000人を対象にした調査では、101件のブレイクスルー感染がありました。ワクチンを2回接種した人が感染する確率は0.08%になります」(米国ボストン在住の内科医・大西睦子さん)

 

【Q2】どんな人が感染しやすいの?

 

「まず、ワクチンで免疫が十分につかないケース。主に高齢者、がんなどの基礎疾患のある人、免疫抑制剤などを使用している人です」(米国立研究機関の博士研究員・峰宗太郎さん)

 

次を見てほしい。8月18〜20日の65歳以上の新規陽性者のうち、33.1%。およそ3人に1人がブレイクスルー感染だった。生活習慣も作用するという。

 

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