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洗顔時には念入りなマッサージ、テレビを見ながらローラーをコロコロ……。でもちょっと待って! よかれと思ったその習慣が、かえってトラブルを招いてしまうことがあるのです。

 

「どのような美容習慣を心がけているのか、クリニックを訪れる方に問診すると、美肌のためにと思っていた行為が、じつは肌を痛めつけていたというケースが本当に多いのです。きちんと洗顔して、保湿をする。外に出るときにはUVケアをすることが美肌キープの基本なのですが、マッサージやパックなどをやりすぎてしまったために、かえって肌への負担を作り出している傾向にあります」

 

そう語るのは、新著『女医が教える、やってはいけない美容法33』が話題になっている、銀座ケイスキンクリニックの慶田朋子院長。肌の老化の原因の8割は紫外線によるもの。朝、お手入れの際には洗顔、保湿、日焼け止めをしっかり塗って正しいケアを行えば美肌をキープできるそう。ところが、美に対する意識が高いゆえ、やりすぎてしまい肌にダメージを与えてしまってクリニックを訪れる人が後を絶たないそうだ。

 

そこで今回、慶田院長に皮膚科専門医の観点から、気をつけたい“やってはいけない”美容習慣を教えてもらった。

 

■「顔ヨガ」で輪郭が大崩壊

 

顔まわりのシルエットが気になるからとよくやりがちな美容習慣では、たるみを解消すると話題の“顔ヨガ”にご用心。目を大きく見開いたり、口を大きく動かしたりすることで表情筋を鍛え、リフトアップ効果があるといわれているが、むしろ目元や口まわりの表情ジワが深くなり、老け顔を助長してしまう。

 

「皮膚と筋肉は綱引きのようにバランスをとっていて、口を両端に『イー』と動かすと、下顎からフェースラインにかけて引き下げる筋肉や、首筋の左右に浮かぶ広頸筋という薄い筋肉が発達して、かえって皮膚のたるみを助長し“輪郭の崩壊”を招きかねません」(慶田院長・以下同)

 

■「コロコロローラー」でたるみ加速

 

Y字の先のローラーで肌の上をコロコロ転がすマッサージ器は、やりすぎると皮下組織にある「コラーゲン線維」を傷つけて、たるみが加速しやすくなることも。むくみを取るために週2回くらいを限度にとどめよう。

 

「皮膚を筋膜と骨に固定しているコラーゲン線維は、引っ張る力にダメージを受けやすく、マッサージローラーで皮膚をつかんで引っ張ると、伸びて弱くなります。適度に使用するぶんにはむくみを解消させるメリットは得られます。朝起きて顔がむくんでいるときなど、短時間で軽く転がす程度にしましょう」

 

■「まつげエクステ」でまぶたが垂れる

 

手っ取り早く目元をパッチリした印象に見せたい、という人に人気の「まつエク」だが、接着剤の成分でまぶたがかぶれるほか、まぶたが重く下がってくる「眼瞼下垂」の進行を早めてしまうリスクが。

 

「上まぶたを持ち上げる筋肉に、まつエクの重さが負担になり、思うように目が開かなくなってしまいます。長時間続けていると少しずつ悪化するので、中止するか、本数を減らす、軽いタイプに替える、などの工夫が必要です。美しさを保つための習慣には、情報の取捨選択が大切です。誤ったケアで時間や労力を無駄にしないよう、気をつけてほしいです」

 

欠かさず行っている美容習慣を、一度見直してみよう!

 

けいだ・ともこ/日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。医学博士。東京女子医科大学医学部医学科卒業。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館:1,404円・税込み)『365日のスキンケア』(池田書店:1,242円・税込み)など。

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