松本幸四郎 二人三脚で歩んできた妻との関係

投稿日: 2016年03月21日 06:00 JST

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「3人の子どもたちも今はもう独立しましたが、僕は父というものは、子どもによって父親にさせられるような気がするんです。僕は芝居以外の子育て、学校、お稽古から送迎まで3人すべてのことを家内に任せっきりでした。家内には本当に感謝しています」

 

そう語るのは、隔週連載『中山秀征の語り合いたい人』第58回のゲスト・歌舞伎俳優の松本幸四郎さん(73)。知的で冷静なのに、朗らかで話し上手。バイタリティがあり、いつまでも若々しく生き生きしている歌舞伎界の重鎮・幸四郎さん。中山とは公私にわたり、知己の仲の幸四郎さんに、あらためてじっくりとお話を伺いました!

 

中山「幸四郎さんはとてもお忙しいですよね。歌舞伎だけではなく、『ラ・マンチャの男』などミュージカルにも精力的に取り組んでいらっしゃいます」

 

松本「『いつ稽古して、いつ寝ているんですか?』とよく聞かれるのですが、僕の場合は正直、1日24時間ではなく、28時間くらい欲しかった(笑)。稽古やセリフを覚えていると、あっという間に時間がたってしまって夜が明けちゃうんですね。翌日の劇場入りが朝早いと、寝なくちゃならない。『あと4時間くらいあったらなぁ』と思うんですよ」

 

中山「そんなに根を詰めてやっていたら、ご家族が心配なされませんか?」

 

松本「家内はたった一言、『それがあなたに合ってるんじゃない?』って(笑)。ひどいでしょ?(笑)。新婚時代に家内に印象づけちゃったことがちょっとありまして……。『あなたは暇にするとロクなことをしない』って」

 

中山「野暮なことは聞きませんが、それは失敗でしたね(笑)」

 

松本「家内は九州の内科医の一人娘で、芸能界、ましてや歌舞伎とは縁もゆかりもない人間だったので、それはもういろいろと大変だったと思います。ただ『1つの目標に2人で進んでいくのが好きだ』と言っているんですね」

 

中山「うわ〜。奥様のかがみですね」

 

松本「そう言われちゃ旦那である僕の立場がありません(笑)。夏の暑い盛りには1カ月かけて歌舞伎の巡業があります。四国の四万十川の近くに行ったときに、僕は『四万十の 川面は夏の 光かな』と句を詠んだんです。その巡業が終わり、軽井沢につかの間の休息をしに行きました。行きつけの鮎の専門店で座敷の窓を開けると、千曲川が流れている。そこで、僕は夏の巡業を思い出しながら『四万十の 川面は夏の 光かな』と言うと、家内が即座に『千曲川でしょ?』って……(笑)。こんな感じなんです、ウチの夫婦は」

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