ずいぶん昔のことですが、私の高校時代、試験というと、必ず古びたセルロイドのペンケースを持ってくるクラスメートがいました。なんでもそれは、彼女が小学校時代に使っていた物だとか。確かフタに子鹿のバンビの絵が描かれていて、新品のときは、とても可愛らしかったのではないかと思われました。というのは、そのペンケース、私が目にしたときは所々が割れて、それをセロテープで補修している、もうぼろぼろ状態の物だったのです。

でも彼女はペンケースを撫でながら、愛おしそうに言いました。「これね、すごく縁起がいいの。試験のときに持ってくると、気持ちが落ち着いて、ケアレスミスをしないし、難しい問題が解けたりするのよ。だから、わたしの大切なお守り」。私はふつうだったら、もう捨てているような物をお守りとして大切にしている友人が、とても素敵だと感じました。その後、彼女は大学受験にもそのペンケースを持って行き、みごと、第一志望校に合格しました。

お守りというと、一般的には、神社のお守り札のような神秘的につくられたものを思い浮かべます。でも、彼女のように心から大切に思い、愛用している物もじゅうぶんにお守りとしての効力を発揮すると、私は信じています。何故なら、これを持っていると安心とか、いつも何かいいことがあるといった、つまり、その人自身が抱く幸運の確信が良い運気を引き寄せるからです。いつもお話ししている潜在意識の働きですね。逆に言えば、どんなに優れたお守りと言われるものでも、本人が「こんなの効き目あるのかしら?」と疑問を抱いていれば、その気持ちが邪魔をして、ほとんど効力は発揮してくれないでしょう。

あなたが縁起がいいと感じているもの、心がホッと安らぐようなものを、大切にし続けてくださいね。きっと、あなたが幸せになるお手伝いをしてくれますよ。