知り合いにとても正直な女性がいます。謙虚と言えば良いのでしょうか……。その方の親友から、以前、こんな話を聞きました。仮にその正直な女性をA子さん、A子さんの親友をB子さんとしましょう。お二人ともフリーで仕事をされている方です。
ある日、B子さんがA子さんにピッタリだと思う某社の仕事があって、某社にA子さんを推薦したのだそうです。A子さんなら間違いなくいい仕事をしてくれるはずですからと、強力に押したんですね。それで早速、某社の担当さんとA子さん、B子さんの三人で会うことになりました。

ところが、担当さんが仕事内容を説明しても、A子さんはいっこうに乗ってこないのだそうです。「内容的に良いお仕事だとは思いますし、私も出来ればさせていただきたいのですが、果たしてご希望に添ったお仕事ができるかどうか……私の技量では……」とA子さんは煮え切らない言葉を続けるばかり。最終的にはB子さんにうながされてA子さんは「なんとかやってみます」と返事をしたものの、後日、某社からはお断りがきたそうです。

「それで、A子さんは仕事をしないですんでホッとしているの?」と私がB子さんに訊ねたところ、「それがガッカリしているのよ。もし相手の希望どおりの仕事ができなかったら、相手にも紹介者であるB子にも悪いので、気持ちを正直に言ったんだって……もっとハッタリがきく性格ならいいのだけれど……」とB子さんは嘆いていました。

「ハッタリ」というと、悪いことのように聞こえますが、ときにはこの「ハッタリ」をきかせることが必要なんですね。特に仕事の場合はあまり謙虚にしていると、「この人に任せて大丈夫なんだろうか」と依頼する側が懸念を抱いてしまいます。「これは難しい仕事なので、果たして自分にできるだろうか」と少し不安に思っても、決してそれを口にしないこと。思いきって「ぜひやらせてください! 前から、私の力量を生かせる、こういう仕事にチャレンジしたかったんですよ。頑張ります!」などと自信に満ちた表情で言ってしまって良いのです。まさに「為せば成る」です。そうハッタリをきかせてしまった以上、自分でも全力投球しますから、みごとにやり遂げて、ハッタリはハッタリではなくなり、それをきっかけにステップアップもできます。つまり、新たな幸運の扉が開くのですよね。