私が20代の頃のことですが、ひとつの良くないジンクスに自分自身がとらわれてしまったことがあります。「黄色を身につけると悪いことが起こる」というジンクスです。そのきっかけは、黄色は縁起が悪いという噂を聞いたといった類のものではありません。私自身が勝手にそう思いこんでしまったのです。それは、黄色いセーターを着て出かけたときに派手に転び、コーデュロイのパンツが裂けて、膝をケガしたということで始まりました。でも、そのときは黄色とその不運を結びつけて考えることはありませんでした。

ところが、それからしばらくして、今度は別の黄色系の服を着て出かけたときに、電車の網棚の上に大切な物を置き忘れてしまったのです。その後、また何日か経って、やはり黄色系の服で外出した際に不運なことが! そう、ちょっとイヤなことが3回続いてしまったのですよね。その頃から「もしかして、黄色は私のアンラッキーカラーかも……」と疑い始めました。とは言ってもまだ確信したわけではなく、それからもときどき身につけていました。でも困ったことに、その度に何か不運な出来事が起こるのです。そうなると、次第に不気味になってきます。私はとうとう「やっぱり、黄色はアンラッキーカラーよ! もう絶対、黄色は着ないわ」とすっかり決めこみ、黄色の服にはいっさい袖を通さなくなりました。

このジンクスが頭にこびりついてから3、4年経った頃のことです。ある日ふと、タンスの肥やしになっていたあの黄色いセーターのことを思い出し、取り出してみました。セーターはまだじゅうぶんにきれいで、手にとって眺めるうちに、縁起が悪いという気持ちはいつの間にか薄れていきました。実を言うと、私にこうした気持ちの変化が生じたのは、潜在意識の働きが人の運命に大きく作用するといった、潜在意識の働きに関する勉強を始めていたからでもあるのです。

つまり、「黄色を身につけると悪いことが起こる」というのは、たまたま黄色を着ていたときに不運なことが続けて起こったために私自身が思いこんだこと。自分で勝手につくりだしたジンクスで、黄色という色が不運を呼んでいるわけではない。「黄色を着ると悪いことが起こるのではないか」という不安が潜在意識に刻み込まれたために、不運な現象となって現れたにすぎない。3、4年の間に、私はそのように考えるようになっていたのです。「このつまらないジンクスから、私自身を解放してあげなければ!」と、そのとき決意しました。

その日から、私は再び黄色を身につけるようになりました。「この色は気持ちが明るくなるわ。楽しい! 何かいいことがありそう!」と思いながら…ネ。すると、どうでしょう、何も悪いことが起こらないばかりか、良いことさえ起こるようになったのです。やはり、心の持ちよう、潜在意識の作用で運は吉にも凶にもなると、私は確信しました。あなたがもし、昔の私のように何か悪いジンクスに縛られているようでしたら、ぜひ、そこからご自分を解放してあげてくださいね。そのほうがずっと楽しく過ごせるようになり、幸せを呼び込むことが出来るようになりますよ。