生きていくうえで、人間関係ほど難しいものはありませんよね。周りの人に寛大であろうとしても、腹を立ててしまうことがあります。でも、どんなに腹立たしくても、相手を激しく非難することは避けなければと思っています。何故なら、悩み相談の際、そうした人を非難する激しい言葉を幾度となく聞いたことがあるからです。その非難の言葉を聞くたびに、悲しい思いになります。しばらく、その言葉が耳について離れないのです。

一例をあげるとこんな感じです。職場の同僚B子さんに腹を立ているA子さんと私の会話です。「わたし、B子さんのことは絶対に許しません! わたしのプライドのかけても! わたしのプライドを傷つけた人は絶対に許さないのが、わたしのポリシーなんです!」とA子さん。「B子さんはあなたにすごく失礼なことをおっしゃったのね。それで彼女は謝らないの?」と私。「いえ、謝りました、平謝りに! 全て自分が悪かったって……」「それでも許せない?」「許せません! 断じて許しません。B子はもともと性格が悪いんですよ! 仕事も出来ないし!」A子さんはますます興奮し、B子さんの悪口を具体例をあげながら、これでもかというくらいにまくしたてました。しまいには、A子さんが本当は何を私に相談したいのか、分からなくなってしまったほどでした。

はたして、A子さんはこれで気分がスッキリしたのでしょうか。お腹にたまっている非難の言葉を次々に吐き出してしまえば、その場はスッキリした気がするかもしれません。でも、その激しい非難の言葉は心の奥に刻まれて、治らない傷のように残るに違いないと思うのです。人間には良心がありますから、大方の人は後々、ふとした拍子に「あのとき、あんなに意固地になって、激しく非難しなければよかった……」と、胸がうずくでしょう。つまり、人への非難はその人を傷つけるだけではなく、自分の心をも傷つけてしまうのですよね。ましてやそういうことを繰り返していれば、心の傷が増え、良い運気をも壊しかねないと、恐れを感じています。