Stone_070416 広辞苑によれば、青より濃く、紺より淡い色を「藍(あい)」と言うそうで、この「藍」は「らん」とも読みます。アクアマリンの和名は、この「藍」と「玉」という字が重ねられた「藍玉」で「らんぎょく」と言います。つまり、濃くもなく薄くもないブルーの石ということですね。一方、英名の「アクアマリン(Aquamarine)」はというと、「アクア」はラテン語の「aqua」で「水」を意味し、「マリン」は「marinus」で「海」を意味しています。要は「海水」、「海の色」をした石と覚えておきましょう。

ところでこの「アクアマリン」、鉱物学的な視点から見ると、大変おもしろい石ですよ。というのは、この石は「ベリル(Beryl)=和名:緑柱石(りょくちゅうせき)」という鉱物に属しており、混入元素の違いによって多彩な色を見せてくれます。無色から白、緑、黄色、淡紅色、赤、青などがあげられますが、実はその中で、緑色をしたベリルは「エメラルド」、黄色は「ヘリオドール」、淡紅色は「モルガナイト」で、青が「アクアマリン」なのです。ですから、「アクアマリン」はあの「エメラルド」と兄弟のような関係にある石なのですよね。

でも、私たちが日ごろ目にする「アクアマリン」が元々の「アクアマリン」かと言えば、違います。実は、多くの宝石やパワーストーンがそうであるように、この石も美しい海水色を出すために、原石を300℃~400℃で加熱処理しているのです。こんなことを聞くと、あなたは次のような疑問をお持ちになるかもしれませんね。「そんなふうに人工的な手が加えられた石は、その石が本来持っているパワーがなくなっているのではないか?」と……。これは従来のパワーストーンの解説書では触れられてこなかった問題ですが、私は次のように考えています。

石の誕生の歴史をたどれば歴然としたことですが、石は何万年、何億年、何十億年という人間の尺度では計り知れない長い時間の旅をしています。ときには風雨によって浸食され、粒子となって流され、海底の堆積岩となり、それがやがて想像を絶する地殻変動の圧力を受けます。さらにあるときには超高熱のマグマの中を旅し、やっと地表に露出してきた訳ですから、人間が加える「加工」という行為などは、ほんの些細なこと。悠久の自然の力にはとうてい及ばず、石の本質を変えるようなものではないと私は思っています。ただし、はじめから人間の手によって創られた人造石には、パワーストーンとしてのパワーが存在しないのは言うまでもありません。

では、次回に「アクアマリン」のパワーストーンとしての効用をお話ししましょう。

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