さて、ニセモノのアンバー(琥珀)の代表的なものとしては、見た目も組成もアンバーとそっくりな「コーパル(Copal)」と呼ばれる「硬化した樹脂」を使用するものがあります。アンバーが1,000~6,000万年という気の遠くなるような長い年月をかけて地中で化石化したものだということは、前回お話ししました。それに対してコーパルは、現存の樹木から直接抽出することもあるくらい固化するまでにあまり時間がかかっていません。とはいっても、コーパルも一定の年月を経たものは、アンバーなみの硬度を持ち、見た目もアンバーとそっくりです。

ただ、ちょっと違うのは、コーパルはアンバーより市場流通価格が廉価であることと、熱による溶解温度が低いことから、人工的な加工がしやすいという面があります。ここにニセモノづくりの条件がそろい、中には現在の虫の死骸を人工的に閉じこめて、数千万年前の琥珀として高価な値段で販売されているものもあると聞きます。

他には語るもバカらしい琥珀のニセモノですが、素材がガラスであったりプラスティックであったりするものさえ堂々と売られているとのこと。高価な琥珀を購入する際は用心する必要がありますね。

では、本物とニセモノをどう見分ければ良いのでしょうか。その簡単な識別法としては、飽和食塩水(水1リットルに300グラムの塩を溶かしたもの)をつくって、それにそっと入れてみるやり方があります。すると、琥珀やコーパルが飽和食塩水に浮くのに対して、プラスティック、ガラスは沈みます。次のような識別法もあります。琥珀はこすると、プラスティックの下敷きをこすったときのように静電気を帯びますが、コーパルにはそれがありません。あとひとつ、これはあまりお勧めできない方法ですが、ペンダントなどの裏側が露出しているものであれば、その一部を綿棒などを使ってアルコールで拭いてみるのです。すると、本物の琥珀なら何の変化もありませんが、コーパルの場合は表面の艶がなくなり、物によってはネバネバし、爪で押すと跡がのこるほど軟化します。

さて、今回はお話がちょっと横道にそれてしまいましたが、最後に、アンバー(琥珀)のパワーストーンとしての効用をお話ししましょう。琥珀は鉱物とはまったく違う有機物を起源とする化石ですから、一般のパワーストーンが持っているようなパワーは期待できないのではないかと思われるかもしれません。ところがどうして、西洋でも日本でもその昔から様々な効用がある化石として珍重されてきたのです。

古代ローマの人々の間では、人の魂と宇宙を結ぶ架け橋となる石であると同時に、神の象徴であると信じられてきました。ペルシャでは、琥珀を身につけた国王は天から不死身の力を与えられていると信じられていました。特に琥珀はあらゆる病に効くとされ、琥珀を粉末にしたものをハチ蜜やバラ油に混ぜ飲んでいたそうです。病気と琥珀にまつわる象徴的な話としては、当時、大変恐れられていたペスト(黒死病)よけのお守りとして、人々が身につけていたというものがあります。

また、こんな言い伝えもありますよ。女性が琥珀を身につけると、なんとも言えない良い香りが漂い、恋人を自分のそばへ惹きつけておくことができるというのです。男性を魅了するフェロモンを発散するということかもしれませんね。一方、東洋においても、「琥珀」は仏教の七宝の一つに数えられています。琥珀の勾玉が古墳から出土していることから考えても、護符として珍重されていたことがうかがえます。

では、琥珀は現代ではどのように扱われているのでしょうか? 多くの文献を調べてみますと、次のような共通した認識が広くなされています。

琥珀を身近に置いたり、身につけると、その人の中にくすぶっていたネガティブなエネルギーが吸収され、ポジティブなエネルギーに変換してくれます。その結果、精神的な面では恐れや不安を鎮め、穏やかで前向きな気持ちをもたらしてくれます。肉体的な面では、「気」の流れを活発にし、自己治癒力を高めます。特に、肝臓や腎臓の疾患、喘息や気管支炎の改善に効果があるとされているのです。

Stone_070702_3もし、あなたがいま不安定な精神状態であったり、体調がいまひとつすぐれないようであれば、アンバーを手に握って、ご自分の願いを無心に祈ってみてくださいね。ただし、アンバーの効力は穏やかなものですから、焦りは禁物。じっくり時間をかけてコミュニケーションをはかれば、きっと少しずつ効果が現れるでしょう。

(写真はロシア・サンクトペテルブルグ郊外にあるエカリーナ宮殿の「琥珀に間」…私はまだ行ったことがありませんが、いずれ訪れたいところのひとつです。)