「マイナスイオン」という言葉、一時期とてもよく使われましたよね。今でもときどきその関連の商品を店頭で目にしますが、2003年ごろをピークにすっかり衰退してしまったようです。その原因は、「マイナスイオン」という用語自体が学術的定義が不明なまま健康と結びつけられ、それが過熱気味のビジネスへと発展したこと。これが世の識者からの批判の的になったり、誇大広告に関連する「景品表示法」によって国から指導がなされるに至ったためです。

ところが、今回からお話しする「トルマリン」という石も、この「マイナスイオン」騒動に一役買ってしまいました。「トルマリンはマイナスイオンを発生するので健康に良い」と喧伝され、トルマリンを使ったいろいろな健康促進グッズが市販されたのです。私は科学的な領域でのトルマリンの効用は分かりませんが、トルマリンのパワーストーンとしての効用を信じている者としては、この騒動による犠牲にして欲しくないと心から思っています。

Stone_070723さて、それではあらためて「トルマリン」という石に注目してみましょう。あなたは「トルマリン」というとどんな色合いの石を思い浮かべますか? 黒色? 褐色? 黄色? 赤? ピンク? オレンジ? 青? 緑? 無色?……実はぜんぶトルマリンが持つ色なんですね。つまり、「トルマリン」という石はきわめて幅広いカラーバリエーションをもった鉱物なのです。

ちょっと専門的になりますが、「トルマリン」という名称自体は固有の鉱物名を指すのではありません。いくつもの種類のトルマリンを総称したグループ名(族名)なのです。鉱物の大分類で言いますと「硼珪酸塩鉱物(ほうけいさんえんこうぶつ)」に属したトルマリン族です。現在分かっているトルマリンの種類は成分元素の含有差によって11種類あるとされています。

トルマリンは鉱物的にはドラバイト、ウバイト、エルバイト、ショール、ルベライトなどがその主な種類として挙げられます。でも、もうひとつ色合いや紋様からの次のような分類もあります。それは、バイカラートルマリン(二色のコンビ)、パーティーカラートルマリン(3色以上のコンビ)、ウォーターメロントルマリン(スイカを二つに切ったような紋様)、ルベライトトルマリン(濃い赤から濃いピンク)、インディコライトトルマリン(濃青)、パライバトルマリン(宝石価値の最も高いネオンブルー)、アクロアイトトルマリン(無色)、ドラバイトトルマリン(褐色、黄色、オレンジ)ショールトルマリン(黒)などです。この分類のほうが親しみやすいですね。

このように「トルマリン」はきわめてバラエティー豊かな石たちです。宝石的な価値から見ると、まさに「ピンからキリ」ですし、パワーストーンという見地からも語るべきことが多い石たちです。次回は、この石が「電気石」という和名を持つヒミツをとおして、「トルマリン」という石の特徴をさらに探求しましょう。