これまでお話ししてきたように、石の名称には、英名と和名が統一しているものもあれば、まったく一致していないものもあります。この石の場合は、英名を「カルサイト(Calcite)」と言います。それに対して和名は「方解石(ほうかいせき)」ですから、名前の統一性はありませんよね。英名の「Calcite」はこの石の主成分であるカルシウム(Ca)の語源である「石灰」を表すラテン語の「calx」に由来するとのこと。一方の「方解石」はというと、これは石がもつ独特な結晶体に関係する名称です。と言うのは、この石は3方向に完全な形で割れる性質があるのです。私たちがマッチ箱のような平行四辺形をした「方解石」をよく目にするのもこのためです。つまり、「カルサイト」という名称は石の成分である元素に由来し「方解石」は石の形成による結晶に由来しているというわけですね。

Stone_071015さて、この石にはもうひとつ鉱物としての大変面白い性質があります。それは光の屈折が独特なのです。写真でもお分かりのように、この石を通して物や文字を見ると、二重に見えます。これは石の下にある物や文字に光が当たって、それが反射され、光が方解石の中を通過してくると、まっすぐに進む光と曲がって進む光の2方向へ屈折する性質があるためです。これは「複屈折」と呼ばれています。余談ですが、ときどきこの石の特徴を指して、「カルサイト」は俗に「テレビ石」とも呼ばれるという解説に出会います。でも、これは間違いで、「テレビ石」と呼ばれる石は、文字などの上に置くと下にある文字が石の表面に浮かび上がってくるもの。テレビ石は「ウレキサイト(Ulexite)」という別の石なのです。

でも、どの「カルサイト」もこの光の複屈折が確認できるかというと、そうではありません。当然、石の透明度があるものに限られますよね。他のいろいろな元素が混ざり合った透明度の低いものもあり、複屈折は確認しにくくなります。ただ、その一方で、異なった元素が入り込んだ「カルサイト」にはいろいろな色をしたものが存在します。他の成分が混ざっていない純粋なものは無色。これに鉄分(Fe)が入ると黄色に、マンガン(Mn)が入るとピンクに、コバルト(Co)が入ると紫になるのです。その他、茶色、青、緑などもありますよ。

ところで、「カルサイト」全般に言えるのは、ネガティブなエネルギーを取り去り、ポジティブなエネルギーを高めるという作用です。環境を浄化し、体内の気の循環を整えてくれる強力なパワーがあるんですね。でも、それだけではありません。カルサイトには、クリアカルサイト」、「ピンクカルサイト」、「ブルーカルサイト」、「グリーンカルサイト」、「オレンジカルサイト」など、様々な色があります。この色によって、石の波動が異なるため、パワーストーンとしての効能にも違いが出るのです。そういう意味で、「カルサイト」はパワーストーンとしては見逃せない存在と言えますね。このことについては次回、詳しくお話しすることにしましょう。