今までお話ししてきたように、今日のオパールの主産地はオーストラリアとメキシコと言って差し支えないと思います。でも、オパールと人間との関わりという歴史の上に立てば、オパールというのはオーストラリア以前の歴史のほうがずっと長いのです。つまり、オーストラリアでオパールが発見されたのは、アメリカでゴールドラッシュがはじまった19世紀中頃のこと。そう古いことではないのですよね。ところがオパールは、紀元前にはすでに、ヨーロッパの人たちの間で、多様なパワーをもつ石として珍重されていました。そして、その石たちの産地はStone_080819というと、今日のスロバキアであるとされています。

では、古代ヨーロッパの人々の間では、オパールはどのような石とされていたのでしょうか? この疑問に答えるカギは、「オパール」という名前の由来にあります。まず、ギリシア語では「opallios(オパッリオス)」、ラテン語では「opalus(オパルス)」、これらはサンスクリット語の「宝石」を意味する語と関係すると言われています。また、石の効用としては視力を回復するパワーがあるとされていました。

こうした認識は中世ヨーロッパの時代にまで語り継がれ、時には魔術的なパワーがある石、人々を幸せに導く「守護石」として崇拝されました。さらに、この石を身につけると、霊能力や直感力を授かるとも信じられてきました。また、ちょっと首をかしげたくなるパワーとしては、この石を身につけると自分の姿を消すことができるというもの。そのため「盗賊の守護石」とも言われていたそうです。

オパールは著名な作家の小説や戯曲の中にも多数登場します。有名なものでは、シェークスピアの『十二夜』があります。人の心の移ろいやすさをオパールの輝きに例え、「汝の心はオパール」という表現を用いています。一方、ウォルター・スコットの小説「ガイエルスインのアン」では主人公の女性の生命を左右する石としてオパールが登場。その輝きの消失と共に彼女は死んでしまうという物語で、そのことから、オパールは「不吉な石」という解釈も広まったようです。

いずれにしても、オパールにまつわる様々な言い伝えや解釈といったものは、オパールの怪しいまでの美しさと、揺れるような遊色性に起因するものと私は理解しています。私もオパールを手にするとしばしうっとりと見とれてしまいます。確かに他の宝石や石にはない、見る人を惹きつける独特の何かがありますね。でも同時に、その遊色性には捉えどころのない不安感のようなものも感じるのです。おそらく、この石には、プラスとマイナス、陽と陰といったに両極性があるのではないかと思います。

ですから、この石とお付き合いするには自分自身がシャンとしているときでなければ、石のマイナスパワーに飲み込まれて、八方ふさがりになってしまうことがあります。その代わり、自分自身が前向きな姿勢のときは、さらにポジティブなパワーを授けてくれますよ。もし、あなたがオパールが気になって、ぜひ欲しいと思われるなら、まず、ご自分の精神状態をよく分析してみましょう。そして、ご自分の意志が前向きであると確信できたなら、オパールとのお付き合いをしてくださいね。