「ガーネット」と言うと、深い赤色の色石を思い浮かべる方が多いでしょう。でも実は、「ガーネット」は鉱物学的には14種類の鉱物のグループ名。色は黒っぽいものからオレンジ色まで、少しずつ異なった石が存在します。そうした色の違いは、石に含まれる成分の微妙な違いによって生じます。このように結晶構造は同じで成分だけが異なることを、専門的には「類質同Stone_080911像」と呼んでいます。

ところで、「ガーネット(Garnet)」という名称の由来ですが、ラテン語で「ざくろ」を意味する「garantum」からきているとのこと。和名も「ざくろ石」です。母岩にはりついたこの石の姿がざくろの実に似ていることから付けられた名称でしょう。

では、個々の「ガーネット」を見てみましょう。主だったものとしては次のような種類があります。「パイロープ(pyrope)」(くばんざくろ石)、「スペサルタイト(spessartiite)」(まんばんざくろ石)、「アルマンディン(almandine)」(てつばんざくろ石)、「アンドラダイト(andradite)」(かいてつざくろ石)、「グロッシュラーライト(grossularite)」(かいばんざくろ石)「ウバロバイト(uvarovite)」(かいクロムざくろ石)などです。個々の石の説明は余りに専門的すぎますから、一応どのような成分の違いがあるのかだけを知っておきましょう。

共通した成分は珪酸塩で、「パイロープ」にはマグネシウムとアルミニウムが、「スペサルタイト」にあはマンガンとアルミニウムが、「アルマンディン」には鉄とアルミニウムが、「アンドラダイト」にはカルシウムと鉄が、「グロッシュラーライト」にはカルシウムとアルミニウムが、「ウバロバイト」にはカルシウムとクロムがそれぞれ含まれています。この成分の違いが、屈折率、分光性、比重を変え、色合いも変えているのです。

どの石もカボション、オーバルステップ、ブリリアントカットなどに加工されジェリー用の宝石として流通しています。宝石以外の工業用品としては、「アルマンディン(almandine)」(てつばんざくろ石)が研磨剤として広く利用されています。身近な例としては工作などで使用される紙ヤスリがそうです。機会があったらザラザラした紙ヤスリの表面を虫メガネで観察してみましょう。宝石とは違ったガーネットの一面をうかがい知ることができますよ。なお、研磨剤とするには、木材を削れるだけの硬度が必要です。アルマンディンを調べてみると、なるほどモース硬度は7~7.5もあります。これは、こすり合わせるとガラスや鋼鉄、銅などに傷がつく硬さ。木工のヤスリとしては十分であると言えますね。

では、次回はガーネットの言い伝えなどをご紹介しながら、パワーストーンとしての魅力をお話ししましょう。