神々が日本の国を支配していた神代(じんだい)からの歴史が記録された「日本書紀」が完成したのは西暦720年。それから77年経った797年には「続日本紀」という史書が編まれ、これには天武天皇(てんむてんのう)元年の697年から桓武天皇(かんむてんのう)の時代791年までの95年間の歴史が記録されています。いきなり、なぜこのようお話しをするかといいますと、この歴史書の中に、信濃国(現在の長野県)の鉱山から硫黄(サルファー)が朝廷に献上されたという史実が記されているのです。つまり、硫黄は古来日本でも貴重な鉱物として扱われていたのですよね。

Stone_080930_3 その後も硫黄(サルファー)は人々の生活と密接な関わりを持ち、特に西洋から鉄砲が伝 来された中世以降は、火薬の材料として利用されるほか、花火や薬、火の付け木の原料として珍重されてきました。近年、特に明治時代にはマッチの材料として硫黄がさかんに使われるようにもなりました。それだけではなく、硫黄は日本の主要な輸出品目となり、硫黄鉱山の開発も最盛期を迎えたのです。ところが、硫黄は石油の副生成物として簡単に生産可能となったため、1970年代には硫黄鉱山は次々に閉山。日本における硫黄発掘の歴史は終焉を迎えたのです。

ただ、忘れてはならないのは、火山国日本には、いわゆる「硫黄温泉」と言われる温泉が数多く存在すること。古くから人々は好んで硫黄温泉の持つパワーにあずかろうと足を運んできたのです。ちなみに、「硫黄温泉」と言える条件は、温泉水1kg中に総硫黄1mg以上が含まれた泉質であること。よく言われる温泉のヒーリング効果としては、糖尿病、胃腸病、皮膚病、痛風、便秘等に効くとされています。

「硫黄(サルファー)」には、これらの温泉における薬効と同時に、石のもつ独特な波動による、さらなる効用があると言われています。その主な働きは、怒りの感情を鎮め、穏やかな精神状態を回復するというものです。では、この場合の「怒り」とはどういうことかと言うと、実は自分自身に原因がある怒りです。ものごとを素直に受け入れることができないために、すぐに腹を立ててしまう、そういったネガティブスパイラルによる「怒り」を示しているのです。

こうした「怒り」は精神を不安定にすると同時に、肉体的な変調をももたらします。いわゆる「ストレス」の蓄積が、胃や腸といった消化器系の疾患として顕れるんですね。ですから、「硫黄(サルファー)」に興味を抱き、その石を持ちたいと強く思う人々の中には、胃腸等の消化器系に不具合がある人が多いはずですよ。つまり、パワーストーンとしての「硫黄(サルファー)」は、精神的なレベルの癒しを通して肉体的なレベルのトラブルをも解消するといった、大変ありがたい効用を持っているのです。

「硫黄温泉」が湯治場として古くから人々を惹きつけてきたのも、実は「硫黄(サルファー)」というパワーストーンの目には見えない癒しのエネルギーと密接に関係しているのではないかと私は確信しています。