鉱物に関する分類や名称というものは、時代が進むにつれて細分化され名称も改められてきた例がたくさんあります。たとえば、古代エジプトやローマ時代においては今日のような詳細な分析は不可能であったわけです。それゆえ、見た目のテクスチャーや色味などからそれにふさわしい名前をつけていたと推測できます。

実は、この「ペリドット(Peridot)」にも他の石との混同の歴史があります。ペリドットは今から3500年前にはアフリカ東北部とアラビア半島に挟まれた細長い湾、紅海に浮かぶ小さな島、「セント・ジョン島」で発見されました。そして、古代エジプト時代には「太陽の石」とまで称され、崇められていました。ところがこの石は一方では「トパーズ」と称されていたのです。その経緯をたどるとこうです。ペリドットが発見されたセント・ジョン島はかつては「トパソス島」と呼ばれており、そこで採掘された宝石ということから「トパーズ」と呼ばれたとされているのです。

Stone_081015ただ、歴史上、どの時代から「ペリドット」と「トパーズ」が明確に区別されるようになったのかは不明です。でも、前記のとおり、太陽を国家の象徴としていた古代エジプトではこの石を「太陽の石」と崇めました。日照不足や天変地異の際にはファラオがこの石を用いて太陽神に祈りを捧げたと伝えられているのです。また、エジプトに強大な王朝を築いたプレトマイオス王の后に、この石が献上されたという言い伝もあります。ペリドットがいかに珍重されていたかがわかりますね。

では、太古から尊ばれてきた「ペリドット」と今日の私たちはどのように対話し、どのようなパワーを吸収したら良いのでしょうか? 私はペリドットの原石やジュエリーをいくつか持っていますが、あまり頻繁に身につけることも、身近に置くこともありません。ところが、たまにペリドットのことが気になって仕方がないということがあるのです。そういう時は、私はある覚悟をもってペリドットの原石やジュエリーに接します。掌にとり、静かに目をつむり、ペリドットから発信されてくる微かな波動を身体中に吸い込むことをイメージします。

するとどうでしょう。まるで肩こりがほぐれるように、気持ちがぐっとラクになるのです。でも、単にラクになるということではなく、私が恐れていたものが実は自分の思い違いであったことに気づかされます。ときには、その思い違いが、他人を誤解していることであったり、邪推であったり、物事をネガティブに考えすぎていたりということもあります。つまり、自分自身が原因で苦しんでいることがあるのですよね。
そうしたときに、私はペリドットと心の中で会話すると、自分の非を素直に認めることができるようになって、そこに救いを見出したり、解決や新たな行動力が得られるのです。

もし、あなたがペリドットに強く惹かれることがあれば、きっとあなたにはあなた自身が気づかない、ご自分自身が原因の問題や悩みがあるはずですよ。自分の非を認めることは、ちょっと勇気のいることかも知れませんが、非を認めたあとのすがすがしい気分は格別です。また、その結果、ネガティブな考えは消え、前向きな明るい生き方に変わります。これが、ペリドットが「暗闇に光をもたらす神秘の石」と言われるゆえんですね。

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