「末端のテロリストが『過激化』したのを、各団体が追認している可能性が考えられます。いまや『どの組織がやったのか』はさして重要ではない。イスラム国だって、名前を勝手に名乗る組織が誕生したり、分裂して“フランチャイズ化”していますから。むしろ、テロ組織のプロパガンタに刺激を受けた単独や少人数での犯行が増えています」

 

そう話すのは、公共政策調査会研究室長の板橋功氏。チュニジアの首都チュニスで18日に発生したバルドー博物館襲撃テロ。その後、イスラム過激派の「アンサール・シャリア」と「イスラム国」が犯行声明を出した。

 

イスラム過激派はツイッターやネット動画を通じて、テロへの蜂起を促している。板橋氏は、数万人がそれを観て、一部が“ホーム・グロウン(その地で生まれ育った者)”や“ローン・ウルフ(一匹狼)”といわれるテロリストになっていると言う。

 

「ボストンマラソン爆破の実行犯はアメリカに移住した難民の兄弟で、アルカイダの思想に共鳴していた。事件に使われた圧力鍋爆弾は、アルカイダのネット雑誌に載っていたものです」(同)

 

そして、いま世界がもっとも警戒しているのが、イスラム国に参加した外国人戦闘員だ。これまで約2万人の外国人が加わり、うち10〜30%が自国に戻っているそう。

 

「その原動力は、異教徒に支配された国をイスラム国家に作り変えようという『グローバル・ジハード(世界聖戦)』思想です。’10年の『アラブの春』以降、テロリストが武器を手にすることが容易になった。その流れで仏週刊新聞襲撃の実行犯もイエメンで軍事訓練を受け、凶行に及んだのです」(同)

 

海外の危険地帯に詳しいジャーナリストの丸山佑介氏は次のように語る。

 

「『治安の悪さ』と『テロの起こりやすさ』を混同してはいけません。たとえば、インドネシア第2の都市・スラバヤは、外務省のHPでは危険度は低いんですが、じつはイスラム国への中継地だと海外メディアが報じています」

 

そして、日本人が立ち寄りやすい観光地やデパート、ホテルも危ない。

 

「商社の現地駐在員には、『アメリカ系ホテルは避けろ』というような通達が出ている。今回のチュニジアの事件をみても、外国人は狙われます。その国の人が被害を受ければ、大々的に犯行声明を報道してくれますから」(同)

 

前出の板橋氏は、特に日本人が標的になっていると指摘する。

 

「来年、日本でサミットが開催されますし、東京五輪も迫っている。国際的なイベントの開催国はテロの標的になりやすく、当分は警戒すべき」

 

(週刊FLASH 4月7・14日号)

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