3月5日、中国の’15年軍事予算が公表された。5年連続の2ケタ増で、過去最高の約17兆円。日本の約3.4倍の規模となる。

 

「かつて中国の兵器はハリボテといわれたが、10年以上前から独自の先端兵器の開発を目指すようになり、いまでは間違いなく世界有数の兵器製造能力を持っている」

 

こう話すのは、月刊『軍事研究』編集長の河津幸英氏だ。じつは、強大な軍事力を誇るアメリカさえも、中国の兵器に怯えはじめているという。

 

「アメリカ国防省は、毎年『中国軍事力に関する報告書』を議会に提出することが義務づけられています。最新の’14年版で注目すべきは、『対艦弾道ミサイル東風21Dと対鑑巡航ミサイルYJ12が米海軍への差し迫った脅威である』と書かれた点でしょう。とくに東風21Dは、米軍の空母を撃沈できる『空母キラー』として恐れられています」

 

もし尖閣諸島で紛争が起きれば、横須賀にいる米軍の空母が重要な役割を果たす。だが、その空母が撃破されれば、尖閣防衛は一気に危うくなる。

 

先月末、来日したフランク・ローズ米国務次官補は、米大使館で会見して、「中国による衛星攻撃兵器は喫緊(きっきん)の脅威だ」と述べた。じつは、この『空母キラー』と『衛星攻撃兵器』は、事実上、同じ意味なのだ。

 

「東風21Cを改良したミサイルは、低軌道の衛星を撃破できますし、東風31Aの改良型は、中軌道や静止衛星を破壊できます。いまや軍事行動に偵察衛星やGPS衛星は必須のものとなっており、衛星を壊されると、軍の活動が大幅に制限されるのです」(河津氏)

 

中国は、’07年に気象衛星の破壊に成功したのを皮切りに、すでに何度も破壊実験に成功している。

 

「じつは、衛星破壊は冷戦時代からあったアイデアです。しかし、衛星の破壊は宇宙空間にデブリ(ゴミ)をまき散らすため、宇宙を戦場にするのはやめようと米ソで合意したのです。そのため、米国もロシアも衛星破壊兵器の開発は進んでいません。その間隙を縫って中国が衛星破壊に乗り出したので、アメリカは焦っているのです」(フォトジャーナリスト・柿谷哲也氏)

 

それだけではない。中国は高出力レーザー砲による衛星の機能破壊にも成功している。まだ効果は限定的だが、米国の衛星はたびたび攻撃を受けているのだという。

 

日本にとってもアメリカにとっても、もはや中国軍の脅威は絵空事ではない。

 

(週刊FLASH4月7・14日号)