大阪市民ですら理解できているとは言いがたかった大阪都構想。5月17日、その是非を問う住民投票が終わった。反対票、賛成票の差はわずか1万741票。反対派が勝利した。その気になる住民投票のための費用はというと……。

 

「予算は7億4千700万円。とりわけポスターやビラなど住民投票の啓発活動には1億5千万円と、ふだんの市長選挙の倍のお金をかけています」(市選管)

 

大阪維新の会もテレビCMや街宣などの広報費として4億円以上を拠出。

 

「もともと資金が豊富ではない維新が少なくとも4億円を投入できたのは政党助成金があったから。維新の党の’15年分の助成金は26億6千万円。大阪市民だけを対象とした住民投票に国民の血税が流用されるのは本来の目的から外れているのではないでしょうか」(政治部記者)

 

都合約12億円をかけた計算になる。今回の“お祭り”に対する批判の声は絶えない。神戸学院大学院の上脇博之教授は、次のように指摘する。

 

「市の経費にしろ、政党助成金が流用された資金であるにせよ、税金を投入する以上、その価値があるということを住民に納得させなくてはなりません。橋下市長が十分に説得できていたかというと、疑問ですね」

 

大阪には非難合戦の遺恨が残された。憲法改正などの政治課題で維新を取り込みたい安倍官邸。11日には菅義偉官房長官が「(自民党大阪府連と共産党との共闘は)個人的にまったく理解できない」と、府連に不快感を表わした。

 

「維新の松井一郎大阪府知事や浅田均府議会議長はもともと自民出身で府連にとっては裏切り者。だから、大阪自民には、官邸の発言に対して根強い反発心が残っています」(府政担当記者)

 

12億円は大阪の地に消えた。そして、今回の結果は新たな政界混乱の始まりにすぎない。

 

(週刊FLASH6月2日号)