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7月3日に開かれた衆院での平和安全法制特別委員会。午前9時から午後5時まで、休憩時間を挟み8時間に及んだ審議での安倍晋三首相(60)の“動静”が、憶測を招いている。政治ジャーナリストの野上忠興氏は次のように語る。

 

「指定難病の潰瘍性大腸炎を抱える安倍首相が頻繁にトイレに立つ姿は、恒例化していましたが、この日は逆だったと伝え聞きました。午後の4時間の審議中、首相がトイレで中座したのは1回きりだったとか。で、逆に『どうしたんだ?強い下痢や頻尿の抑制剤をのんで、トイレに行く回数を減らし、体調不良をカムフラージュしたのでは』と、出席議員の間で憶測を呼んだといいます」

 

伏線はあった。その日から5日さかのぼる6月28日の日曜日。昭恵夫人は、焼き肉店「ゆうじ」で会食した際の写真をフェイスブックに上げているが、首相の顔は明らかにむくみ、表情は疲れ切っているように見える。その写真が耳目を集めていたからだ。

 

無理もない。衆院憲法審査会での憲法学者による「安保法制は違憲」発言、さらに安倍親衛隊による「言論統制」発言で、支持率は軒並み急降下。毎日新聞が4、5日両日実施した世論調査では、不支持率(43%)が支持率(42%)を上回った。これは、第2次安倍政権発足後初めてのこと。「安倍一強の潮目は明らかに変わった」(自民党中堅議員)のだ。

 

そこで取り沙汰されているのが、“花道退陣論”だ。制約はあるにせよ、日本が集団的自衛権を行使できるようになれば、歴史に名が残る。そのために、自民党は支持率がどんなに下がろうが首相を支える。代わりに、安保法制成立を花道に、首相が退陣するシナリオだ。「後任には、ワンポイントなら麻生太郎副総理。中道に戻すなら谷垣禎一幹事長の名前が挙がっている」(官邸関係者)。

 

これはなにも突飛な話ではない。安倍首相が敬愛する祖父・岸信介元首相は、’60年、自身の退陣と引き換えに日米安保条約の改定を果たし、その名を残しているからだ。

 

一方「もし総辞職などするというのなら、我々は衆院解散を求める」とは某民主党幹部だ。いま、永田町では“解散風”が急激に吹き始めている。その源は枝野幸男民主党幹事長だった。

 

「95日間の国会会期延長が決まった6月22日、枝野氏がオフレコ懇談会を開いた。枝野氏はいきなり、“これで年内解散の可能性がぐんと高まった”と話し、近くにあったカレンダーを凝視しながら、9月の第3週あたりが有力だと分析した」(民主党担当記者)

 

このオフレコ発言がじわりじわりと浸透していった。というのも、安倍首相による昨年末の「抜き打ち解散」をいち早く予想していたのが枝野氏だったからだ。この発言に引っ張られるかのように、自民党内では「9月解散」シナリオが検討され始めた。

 

下がったとはいえ、自民党の政党支持率は30%超。対する民主党は、一桁をうろうろしている。いまのうちの「やぶれかぶれ解散」はひとつの手だ。自民党関係者はこう話す。

 

「安保法案を参院に送ったあとに棚上げし、9月の自民党総裁選前に解散。集団的自衛権の必要性を、憲法改正論議を含めて争点にし、国民に信を問うというものです。議席は減っても、自民で過半数は獲れる。そうすれば、安倍首相は国民に信託されたことになり、安保法案を再提出できますから」

 

いずれにせよ、安倍首相は健康不安を抱えながら、茨の道を歩むことになるようだ。

 

(週刊FLASH7月28日号)