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「政治学や憲法学の教科書を読んだだけで、安倍政権の解釈改憲はおかしいって思うはずなんですよ。立憲主義そのもの、憲法を守るかどうかが問われている。右翼とか左翼、保守とか革新とか関係なくないっすか?」

 

そう語るのは奥田愛基氏(23)。明治学院大学国際学部に通う4年生だ。安倍政権が推し進める「安保法制」に反対する学生団体「SEALDs」(自由と民主主義のための学生緊急行動)の立ち上げ人で、中心メンバーだ。毎週金曜日の夜、ラフな格好で、ビールケースを組み合わせた演壇に登り、短い言葉を重ねていく。

 

「ケンポー守らぬ総理はいらない」

「センソーしたがる総理はいらない」

 

ときに英語を交えるラップのような掛け合い。ドラムに合わせたヒップホップのようなリズム。そのカッコよさ、参加しやすさが話題を呼び、国会正門前のデモは、1万人以上に達した。

 

5月3日、憲法記念日に「SEALDs」を立ち上げた。メンバーは二十数人。「安保法制」がヤバいと思い、6月5日に開催した初めてのデモの参加者は800人にすぎなかった。大事なのは「無党派」。政治色がなく、シンプルで強いメッセージが支持を呼ぶ。

 

脳科学者の茂木健一郎氏が「ノーベル平和賞」と絶賛したのはご愛嬌としても、思想家の内田樹氏、作家の高橋源一郎氏、音楽家の坂本龍一氏らリベラル派がこぞって支持の声を上げている。メンバーも関東180人、関西140人、東北30人、沖縄20人に膨らんだ。

 

SEALDsはなぜ支持を集め、力を持つのか?市民運動に詳しい専修大学法学部の内藤光博教授はこう話す。

 

「いままでのデモと違い、政治的背景で組織化されていないからです。専門用語を使わず、自分の言葉で訴える。型にはまっていない。政党が支持して力を持つのではなく、政党に支持させる力があるのです」

 

SEALDsの目的はひとつ。安保法案の阻止。非暴力で、ヘイトスピーチをしなければどんな団体でも「ウエルカム」。30日には、10万人規模で国会を包囲する予定だ。

 

「体はしんどい。でも、あと1カ月。決着がつくまで続けます。数の力で進めるなんて、制度を利用した独裁ですよ。憲法違反した安倍総理には辞めてもらわないと」(奥田氏)

 

(週刊FLASH9月8日号)

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