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(安倍首相と麻生副総理が特別顧問)

「おいテメー、二度とかけるな、ぶっ殺してやると言ったのに、この野郎」

 

『日本会議の研究』(扶桑社新書)の著者・菅野完(たもつ)氏の留守電に残されたメッセージだ。相手は「日本会議の正会員」を名乗る男。事実なら、著書の出版を快く思わない日本会議による「脅迫」の可能性では……と菅野氏は考えた。

 

「電話は全部で9回かかってきました。最初の電話は6月18日朝。『本を読んでいないが、なぜこの本を書いたのか教えてほしい』と男は言った。『読んでからまた電話をください』と答えて、会話を終えたのですが……」(菅野氏)

20日朝、再び電話が。男は開口一番、「何か身辺に変わったことはないか」と言った。その日、何度も電話で話した内容を、菅野氏は録音した。「これは脅迫電話ですか」と聞くと、電話は切れた。その後、菅野氏が席を外している間に、留守電に入っていたのが「ぶっ殺す」という言葉だった。

 

菅野氏はすぐに警視庁に被害を申告。22日には、電話の録音データなどの証拠を提出している。

 

「本に書いたのは、ほとんどが事実の羅列。それが気に食わないというのは、自分たちのやっていることはおかしいと自ら白状しているようなものです」(菅野氏)

1997年、宗教団体が作った「日本を守る会」と、政財界人や文化人中心の「日本を守る国民会議」が統合して発足した日本会議が最近、にわかに存在感を増している。かねて新憲法制定を目指し、かつては国旗国歌法制定、教育基本法改定運動を展開した団体だ。

 

注目されている理由のひとつに、安倍政権との“蜜月”ぶりがある。安倍晋三首相を筆頭に、20人の閣僚のうち11人、加えて首相補佐官、衆参両院議長、党幹事長などが軒並み名を連ねているのだ。

 

総会員は約3万8000人、国会議員は約280人(そのうち240人ほどが自民党)、地方議員は約1700人が所属している。まるで、参院選で改憲勢力3分の2を狙う安倍政権の“黒幕”ともいうべき、巨大な「右派系市民団体」のようにも見て取れる。

 

日本会議の会員である議員が、会の存在について、こう語る。

 

「保守系の人々の集まりということで、総理とも関係が深く、人脈つくりの場となっています。もちろん、保守という思想に共鳴する部分もあり、保守思想研究の対象としても興味深いのです」

 

冒頭の脅迫事件について日本会議に取材を申し込んだところ、「事実関係を承知していない」とし、こう回答した。

 

「本会が菅野完氏の著作に対して、会員に何らかの指示をしたことはない。菅野氏に対する脅迫が事実であれば、そのような個人攻撃が法治国家として許されないのは言うまでもない。今後警察からの協力依頼があれば、真摯に協力をする」(日本会議広報部)

 

参院選では、改憲勢力優勢との予想が伝えられている。日本会議が真の存在感を見せるのは、選挙後かもしれない。

(週刊FLASH 2016年7月12日号)

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