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豊洲市場への移転延期で、業者に17カ月ぶんの補償額を支払うと、1月27日の定例会見で公表した小池百合子都知事(64)。いまや豊洲問題は、完全に袋小路に入り込んでいる。

 

それもそのはず、1月14日の豊洲市場の地下水モニタリング調査結果で、猛毒シアンが39カ所、環境基準の79倍のベンゼンが35カ所、同3.8倍のヒ素が20カ所から検出されたからだ。

 

これに危機感を募らせたのは、豊洲市場青果棟にもっとも近い場所に建つタワーマンションの住民たちだった。1月25日、本誌が現場を訪れると、住民の一人はこう胸中を吐露した。

 

「マンション自体は快適ですが、部屋から豊洲市場が廃墟のように見えます。豊洲に未来があるのか不安です」

 

また、中古マンションの口コミ掲示板にも、住民の投稿が上がっている。

 

「先日の調査で、ベンゼンなどが基準値以上出ちゃいましたね。もう市場は来ないだろうし、汚染のイメージが完全に決まりましたね。ガチでここは大暴落です。買わなければよかった」

 

このマンションは、大手デベロッパー6社が共同開発した44階建て(2014年竣工、1110戸)と31階建て(2016年竣工、550戸)の2棟。

 

住宅ジャーナリストの榊淳司氏がこう明かす。

 

「片方は平均坪単価263万円、もう片方は300万円近かった。有楽町線豊洲駅から徒歩12分、ゆりかもめ新豊洲駅から徒歩5分と立地もいまひとつ。普通ならなかなか売れませんが、販売中に東京五輪開催が決まり、その勢いで完売した。

 

市場の移転で、築地の賑わいが豊洲に来るという期待で開発も進んだ。購入者にとっては、晴天の霹靂(へきれき)でしょう。豊洲周辺の子供たちが塾や学校で『毒洲』と呼ばれて嫌な思いをしているとも聞きます。

 

汚染されているのは豊洲市場の地下水で、マンションには影響はないですが、これだけ報道されるとマイナスイメージ。無理して買った人も今なら買値くらいで売れるので、早めに売るようにアドバイスしています」

 

デベロッパーの東京建物は、「風評被害や資産価値の低下といったお話は聞いておりません」(広報IR室)という回答だった。

 

もとは、関東大震災の瓦礫処理の埋立地で、1937年に、豊かな土地になるよう「豊洲」と名づけられた。80年前の願いが、いま崩れようとしている。

(週刊FLASH2017年2月14日号)

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