大阪の堺市長選で維新候補が敗れてからの、橋下徹大阪市長と維新の会の叩かれ方はすごい。もう二度と大きな政治勢力になることはないというのがおもなメディア、識者、政党関係者の共通見解のようだ。ニュースキャスターの辛坊治郎氏は次のように解説する。

 

「橋下徹という政治家にとっての問題は、これが堺の特殊性の結果なのか、ほかの地域でも同じ現象が起きているのか、という点です。私は今の状況では、どこのどんな選挙でも維新は負けると思います。なぜなら、今、誰もその存在に期待していないからです。最大の理由はアベノミクスです」

 

維新の会のプランの前提は「日本が沈没するかも」という危機感にあったという。その後の民主党政権下でますます日本の混迷が深まり、それと対照的に維新への期待が膨らんでいったのはそのためだと辛坊さんは解説する。

 

「ところが、安倍政権の誕生で風向きが完全に変わりました。長年日本を悩ませてきた円高が急速に是正され、それとともに株価が急回復を始めたんです。社会全体の雰囲気は、株高で確実に明るくなります。また、夕張市が破綻した後、『明日は我が身』と身構えた自治体も、財政の逼迫度合いが緩和し、誰も自治体の財政問題なんて意識しなくなったんですね」

 

“アベノミクスで日本が良くなるなら維新なんていらない”と多くの人が思うのは、ある意味自然な流れだ。

 

「でもね、私は橋下徹という政治家が『これで終わり』とは思っていません。『アベノミクス』成功の道はとても狭い道です。日銀が無制限に巷にお金をばらまく現在の政策は、いずれ終息させざるをえません。そのときに金利の急上昇、株価の下落、再度の円高、過度の円安などの危機をすり抜けていくのは簡単な話じゃないんです。もし、その狭い道から日本が転げ落ちるようなことになれば、雇用問題、少子高齢化問題、年金問題、資産バブルの崩壊問題などが噴出するはずです。そのとき広がる光景は、『ほとんど地獄』になるのは間違いなく、ここから立ち直るには相当な荒技が必要になるはずです。橋下徹という政治家にもう1度スポットライトが当たるとすれば、そのときでしょう」

 

(週刊FLASH 10月22日)