「昔は100年続いた天ぷら屋やったんです。その後、高級割烹の旅館となったんですが、10年ほど前、京都迎賓館を手がけた名工の手で立て替えられ、個人の別荘になりました」(近隣住民)

 

京都市東山区、八坂神社の裏を行くと高級旅館や茶屋などが立ち並ぶ京都風情にあふれた小路に辿りつく。その一角に、ひときわ目立つ木造2階建ての日本家屋はあった。この豪邸が、とある中国高官の手に渡っていたことが明らかとなる。

 

「中国共産党で令計画・人民政治協商会議副主席が失脚し、昨年末に拘束されました。すると、この豪邸が令の妻など一族の所有だと言うことが明らかになり、それを中国メディアが一斉に報じたのです」(中国系投資会社社員)

 

胡錦濤前国家主席の側近だった令計画の失脚は中国全土を揺るがした。政権の大番頭といわれる党中央弁公庁主任を5年間も務めた超大物だからだ。

 

令計画の失脚の引き金となったのが、’12年に息子の令谷が起こした交通事故だった。裸の女性2人を乗せた令谷がフェラーリに乗って大事故を起こし即死。令計画は死亡した女性の親族に巨額の口止め金を振り込んだが、隠蔽に失敗。失脚し、汚職の数々が明らかになった。

 

「京都の豪邸を英領ヴァージン諸島のある法人が3年前に購入しました。じつは、この法人を設立したのが、事故を起こした令谷と、令計画の末弟にあたる令完成だったのです」(同前)

 

 令一族は、北京で「西山会」なる秘密グループを作っていた。令計画の出身地である山西省では、市長ポストなら1千万元(約2億円)で売買されたといわれている。一族が不正に蓄えた資金は約7千億円にのぼるという。

 

「3.8億ドル(約456億円)が複数の物件の取得に投じられました。しかし、この豪邸に使われたのは5億円ほど。多くの金が闇に消えており、マネーロンダリング目的だったとみられる。日本の不動産を隠れ蓑にしたのは、中国の要人が日本に資産を持つことがほとんどなく、発覚しにくいからでしょう」(同前)

 

京都の豪邸が、令一族のマネーロンダリングの舞台となっていたわけだ。実際、この邸宅の周辺を取材しても、中国人が出入りする様子はない。女性“管理人”に話を聞いても、「なにも関係ありません」の一点張り。この邸宅の行方は?中国に詳しい評論家の宮崎正弘氏は次のように語る。

 

「中国共産党による令計画の資産の没収はすでに始まっています。中国国内の預金や不動産なら簡単に没収できますが、中国当局は日本の法律のもと、令一族の弁護士と裁判で争うことになる。いまは人民元高の影響で日本の不動産が安く買える。ほかにもこういった例が出てくる可能性があります」

 

古都が誇る豪邸は、中国共産党のものか。失脚した汚職役人のものか。いずれにせよ、日本人の手に戻ることはなさそうだ。

 

(週刊FLASH 1月27日号)

関連タグ: