「現場のことがわかる長官。(踊る大走査線の)室井さんを彷彿とさせる人物です」(警察庁関係者)

 

そう評されるのは、1月23日、警察庁長官に就任した金高雅仁氏(60)だ。金高氏は東京都杉並区出身。都立西高校から東大経済学部卒業後、’78年に警察庁に入った。警視庁捜査二課長、刑事部長、警察庁刑事局長と、刑事畑の重要ポストを軒並み経験。ちなみに家族は妻と社会人の息子が2人いる。

 

金高氏が警視庁捜査二課長時代に指揮した、’96年の厚生省汚職事件は今でも語り草になっている。

 

「標的が政治家や高級官僚となれば、東京地検が乗り出してきて警視庁は主導権を奪われてしまう。この汚職事件もターゲットが厚生省の事務方トップである事務次官だったのですが、この人物を捜査二課は収賄容疑で逮捕した。中央官庁の現職事務次官を逮捕したのは警視庁始まって以来の快挙だった」(社会部デスク)

 

この事件で、金高氏は“室井さん”ぶりを十二分に発揮している。

 

「内偵中に国会議員から探りが入りましたが、『何も心配するな』と言って現場を守ってくれた。『老人福祉事業が食い物にされた事件だ。これを摘発しないで何が警察だ。やらないでどうする』と言ってくれた」(警察庁関係者)

 

現場を大切にする心の原点は、入庁して最初に赴任した新宿署での勤務経験だったと、ある警視庁OBは述懐する。

 

「将来が約束されているキャリアが、事件の頻発する新宿署のような警察署に最初から飛び込むのは、通常は考えられないこと。下手をすれば経歴に傷がつきかねないからです。金高さんはそこで現場の捜査官を大切にすることを学んだのだと思います」

 

どんな組織であれ、新しいトップが誕生すれば、やっかみもあって悪い噂が漏れ伝わってくるものだが、よい評判しか出なかった金高新長官。地位が人を変えてしまうことはままあるが、はたしてこの評判を守れるか。今後の手腕に期待だ。

 

(週刊FLASH 2月17日号)

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