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セブン&アイHD(ホールディングス)を率いた鈴木敏文会長(83歳)が退任を表明して約1カ月半。ここに来て鈴木体制が抱え込んでいた「時限爆弾」の存在が浮上した。セブン&アイ関係者が明かす。

 

「ほぼ実績のないA社が、経営幹部の強引な推薦で、イトーヨーカ堂にノートを納入する業者になった。その背景に、経営幹部とA社の女性社長の個人的な関係があり、そのことが鈴木降ろしの遠因だといわれているのです」

 

問題のA社は2010年創業。ノートや雑貨の企画・卸、バラエティ番組やタレントのキャスティング事業を手がけている。モデルやタレントの仕事を経て、西麻布の飲食店でホステスをしていたころ、芸能プロダクション関係者とつながりができ、A社の設立に漕ぎ着けたという。社長の佐藤香織氏(31歳・仮名)はかなりの「やり手」で知られる。

 

とはいえ、イトーヨーカ堂の日本全国のおもな取引先は約1000社。厳しい審査を通った、実績のある企業ばかりだ。佐藤社長の「行動力」と「人たらし」の能力はなかなかのようだが、それにしても異例の“抜擢”である。問題はそれだけではない。

 

「納入されたノートは一部が販売促進に使われたものの、ほとんど売れないまま店頭から姿を消しました。在庫の山を築いている事実は隠蔽されているのです」(前出の関係者)

 

創業以来、低空飛行だったA社。会社と佐藤氏の運命を大きく変えたのがイトーヨーカ堂の常務執行役員(当時)の木村弘茂氏(仮名)との出会いだ。

 

「ある芸能プロダクション幹部が引き合わせたのがきっかけです。2人は意気投合し、A社とヨーカ堂の取引は、木村氏が主導して進められました」(前出の関係者)

 

同社がイトーヨーカ堂と取引を開始したのは2014年。それ以降、目を見張るような急成長を遂げてきた。

 

「セブン&アイとの仕事にはしょっちゅうA社が絡んでくる。そのわりには佐藤社長にしかできない何か特別なノウハウがあるようには見えません。佐藤社長には、芸能人脈を生かした“接待”をしているという疑いの声が絶えませんでした」(芸能プロ関係者)

 

ヨーカ堂の都内大型店の文具売場担当者によれば、「そのノートは2016年の初めくらいに本部から回収の指示があった」という。木村氏は2月1日の人事で関連会社社長に「左遷」された。

 

セブン&アイHDに、A社と木村氏、鈴木氏との関係について聞いた。

 

「個別の取引内容に(木村氏のような)事業部長が介入することはありません」(広報部)。木村氏と佐藤社長との関係については「商取引以外の関係は一切ございません」。

 

では、もう一方の当事者はどうか。A社社長の佐藤氏は電話取材に応じた。

「木村氏とは、お仕事を通じてのおつき合いをさせていただいております。非常に良好なビジネスパートナーだと認識しております。私どもでは警察のお仕事もさせていただいておりますが(マスコットキャラのノートを製作)、その際もあいだに入っていただきました」

 

5月26日には、セブン&アイHDの株主総会がおこなわれる。会長として迎える最後の総会で、鈴木氏は何を語るのだろうか。

(週刊FLASH 2016年5月31日号)