image

熱戦の火ぶたが切って落とされた。猛暑のなか、白球を追う球児の爽やかなプレーは、まさに汗と涙の青春物語。だが、試合に勝つためには、ふだんから「第三者」に便宜を図ることが常套手段という。

 

「強豪校の間では、審判を味方につけることが鉄則となっている。関西地方の強豪校ほどその傾向は顕著。練習試合に審判を招聘(しょうへい)する際、通常3000円程度の交通費が支給される。だが、私学強豪校ともなると、1万円と額が跳ね上がる。

 

また、四国の常連校の監督は、甲子園期間中、朝日新聞朝刊を必ずチェックするという。その理由は、その日の試合の球審名が載っているから。それをもとに、球審のジャッジ傾向や性格を徹底的に調べ上げる。まさに、審判が丸裸にされているわけです」

 

大会期間中、出場校は甲子園周辺にグラウンドを借りて練習をおこなう。以前は自由に見学できたが、最近は様相が一変した。

 

「対戦校の関係者がビデオカメラを隠し持って、盗み撮りするケースが頻繁化し、防止策として、一般客はもとより、我々記者にも見学禁止措置をとる高校が増えました」

 

それもこれも、すべて監督の判断による。特に、高校野球は監督の権限が大きい。それゆえ、監督は私利私欲にとらわれず、常に襟を正さねばならない。だが、その実態は理想にほど遠いのが現状のようだ。

 

「スポーツ用品メーカーと結託して、金儲けに勤(いそ)しむ不届きな監督がいる。仕入れ値2000円のTシャツを部員に3000円で売る。1人4枚買わせて部員が150名いれば、それだけで60万円の儲けです。

一方、甲子園に出場したら、メンバーは30万円、ベンチ外の選手には15万円の寄付金を強要する強豪校も。選手がいればいるだけ儲かる仕組み」

 

2年後の夏の甲子園が100回記念大会を迎える影響もあって、今年の1年生部員のスカウト合戦は、特に熾烈を極めたという。

 

「有望選手になると、中2の秋までに進学先が決まる。そういう選手がいるシニアやボーイズは、チームメイトもまとめてその高校が面倒を見る。ある選手に『3年になったら4番一塁を約束する』と、誘った監督がいた。口説き方が、高校野球の範疇(はんちゅう)を超えている(笑)。

今は名監督で勝つ時代ではなく、いい選手を集めた学校が勝つ時代。監督も練習そっちのけで、全国を飛び回るスカウトマンです」

 

涙の数だけドラマがある……が、まさに甲子園には「魔者」が棲んでいるのだ。

(週刊FLASH 2016年8月30日号)

関連タグ: