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天高い秋晴れの園遊会となった。揃って着物をお召しの女性皇族方。背後から差し込む陽の光に、華やかな生地が輝いた。

 

11月9日、秋の園遊会には各界の功績者など約2千人が出席。皇室ジャーナリストの渡辺みどりさんはこう見た。

 

「国民の前で幸せな“家族の肖像”を示されることも皇室のお務めだと思います。今回の皇族方のお出ましには、とても一体感がありました。そして、淡い黄色の和服をお召しになった雅子さまを拝見して、’93年“納采の儀”の鮮やかな黄色の振袖姿を思い出しました」

 

今回の園遊会は、春に続いて和装に。その決定には、美智子さまの雅子さまに対するお心遣いがあるのではないかと、宮内庁関係者が続ける。

 

「美智子さまは、あえて春も秋も“ハードルの高い”和装をお選びになることで、雅子さまの覚悟を促したのでしょう。“愛の試練”を乗り越えて自信を持っていたただきたいとお考えになられたのではないでしょうか」

 

雅子さまにとって着物でのお出ましは大きな負担になっている。園遊会直前の11月6日、皇居・宮殿で催された文化勲章受章者、文化功労者を招いてのお茶会でも、美智子さまと紀子さまが和服をお召しだったが、雅子さまは白いスーツにお帽子の洋装だった。

 

「再来年3月の退位を前提にすれば、両陛下主催の園遊会は、来年開催されるあと2回だけ。その後は、皇太子ご夫妻が主役になります。適応障害を抱える雅子さまにとって、着物の苦しい締めつけは心理的圧迫につながり、大きな負担でもあります。しかし皇后となれば着物をお召しになる機会は多く、雅子さまにとって大きな課題です」(前出・宮内庁関係者)

 

園遊会当日、雅子さまは、およそ30メートル、約10分にわたる招待者とのご交流後、午後2時27分に退出された。’15年の秋に園遊会に“復帰”されて以来、今回で4回連続のご出席だが、今日も途中退席となった。

 

ただ、今回は招待者と話される場面も見られた。ロンドン五輪ビーチバレー日本代表、朝日健太郎参議院議員と向かい合われたときなどは、右手を上に上げ、大きいですねといった手振りで満面の笑み。「がんばってください」とエールを送られたという。

 

精神科医で立教大教授の香山リカさんは言う。

 

「春だけでなく秋も連続しての和装でのご出席は、目的に向かって自分自身をコントロールすることができた証しでもあります。快復傾向にあると診ていいと思います」

 

さらにファッション評論家の石原裕子さんは、美智子さま、雅子さま、紀子さまの和服に“気配りされた統一感”があったと話す。

 

「美智子さまのお着物は、グレーの濃淡に波の一瞬を捉えた文様。金糸を使った帯でした。雅子さまは淡い黄色に大きな白とオレンジの菊、桔梗や萩などの花をあしらった文様。帯はワインレッドに金の唐花模様です。紀子さまは淡いオレンジからベージュのグラデーションに大小の白い菊、帯はモダンな印象の花菱でした。金糸を使った帯、菊の花など、入念な打ち合わせをされている印象がありました」

 

“お揃いの和装”について、皇室担当記者もこう話す。

 

「天皇陛下のご譲位に向かって、皇后さま、雅子さま、紀子さまのご相談がしっかりとできておいでなのでしょう。雅子さまと紀子さまの色合い、柄も似ており“強い連携”を感じます。春の園遊会でも、お2人は同系色の淡い青の和服でした。次期天皇(皇太子さま)の御代へ向けて、雅子さまと紀子さまが足並みを揃えて歩まねば、という“紐帯の誓い”の証しではないでしょうか」

 

“紐帯”という言葉は、ひもと帯が転じて、結びつきや絆を意味する。雅子さまと紀子さま。お2人の連携は、美智子さまにとっても心強いはずだーー。

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