「各地で開催する展示販売会の売り上げは、前年比120〜130%。大盛況ですね」

 

全国の百貨店でおこなわれる金製品の即売会「大黄金展」が賑わっている。運営する富士養老の滝の石井勝之氏はほくほく顔だ。

 

密かな人気が続く金貯蓄。ギリシャ危機が高まった6月29日、金を持っていた投資家は余裕をもっていられたはずだ。この日の金価格も、前週末の1グラム5,082円から5,104円に上昇したからだ。「有事の金」といわれる所以である。日本における金市場分析の第1人者、豊島逸夫氏が語る。

 

「僕もリーマン・ショックのときは株でも投信でもやられたけど、資産の20%充てていた金が4倍に上がり、全体の損失の7割を回収できた。金を持っていれば、日本でも起こりうる経済危機のときに役立ってくれるでしょう」

 

じつは、破綻したギリシャと比べても、財政赤字などの数字は日本のほうがはるかに悪い。しかし、ゆうちょは貯金の5割以上を、メガバンクも預金の約2割を日本国債で運用している。国債が暴落すれば金融機関は倒産する。そうなれば、預貯金も返ってこない。

 

「私のもとには、財務官僚OBたちが数多く相談にやってきます。紙幣を刷りまくってきた当事者が、いざ定年すると、退職金を円では持ちたがらず、財産を避難させています」(同)

 

長期的には右肩上がりを続ける金価格だが、じつは昨年12月からは3.1%下落している。アメリカの利上げが予測され、利息のない金からドルに資金が集まっているからだ。

 

「金は“買ったら忘れる”つもりで長期で持つのが正解。だから、金が安くなっている今がまさに買い時です」(同)

 

豊島氏は東京五輪がある’20年、1グラム7,000円に達していると予測する。

 

「経済成長がいまでも年5、6%はある中国やインドで、金の需要はじつに強い。いまは金の採掘量は微々たるもの。それを中国やインドという2大新興国が大量に欲しがっている構図なんだから、下がるはずがないんです」

 

日本では純金積立をしているのは100万人近くだと推定される。ゴールドラッシュに乗れるかどうかで、未来の明暗は分かれる。

 

(週刊FLASH7月21日号)