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本誌のドキュメンタリーページ『シリーズ人間』に登場し、「あのキレイだけど押しの強い弁護士はナニモノ?」と、巷をにぎわせた仲岡しゅん弁護士。その正体は、男性として生まれ、数年前に女性に「トランス」した男と女のハイブリッド弁護士!大阪生まれ、大阪育ちの若き闘士は、悪を許さぬ正義感と、美貌に似つかぬ義理人情を盾にして、法律を武器に日々奮闘中。そんなハイブリッド弁護士がトラブルをシュッと解決!

 

【今回の相談】「うちの犬がほえたことに驚き、歩いていた近所のおばあちゃんが転んで骨折してしまいました。後日、彼女の息子さんから100万円の賠償請求が届いたのです!お気の毒とは思いますが、犬はきちんとリードにつないでいて、自宅敷地内からは一歩も出ていません。それでも、この請求に応じないとダメですか?」(50代女性・主婦)

 

【回答】「けがをしたおばあさんには気の毒ですが、貴女に治療費の支払い責任はなさそうです」(仲岡しゅん)

 

今回のご相談ですが、「動物の占有者等の責任」(民法718条1項)の成否が問題となります。民法718条1項に、「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する義務を負う」とあります。大阪弁で言うと、「ペットがやらかしたことは、飼い主が責任取りや!」ということです。

 

しかし、民法718条1項では、その後に、こうも規定されています。「ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない」と。要するに、ペットのやったことで誰かに損害を与えた場合でも、きちんと管理していれば、免責されるわけです。

 

今回のご相談者は、放し飼いにしていたわけではなく、敷地内にいて、リードも付けていらしたと。土佐犬が豪快にほえかかったのならともかく、ごく一般的なサイズの飼い犬であれば、敷地内でリードを付けていれば、十分なんじゃないかしら。逆に、それ以上厳重な管理をしないといけないとなると、どうやって犬を飼ったらいいのかわからなくなりますわよね。

 

よって、けがをしたおばあさんには気の毒ですが、貴女に治療費の支払い責任はなさそうです。外を歩けば当然、石ころもあれば子どもも走っているし、犬もほえるわけです。外の世界に完全な平安を求めるのは不可能というもの。

 

ただ、ご近所さんということですから、今後のお付き合いも踏まえて、数万円程度のお見舞金を渡されてみては?わたくしだったら、そうします。

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