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本誌のドキュメンタリーページ『シリーズ人間』に登場し、「あのキレイだけど押しの強い弁護士はナニモノ?」と、巷をにぎわせた仲岡しゅん弁護士。その正体は、男性として生まれ、数年前に女性に「トランス」した男と女のハイブリッド弁護士!大阪生まれ、大阪育ちの若き闘士は、悪を許さぬ正義感と、美貌に似つかぬ義理人情を盾にして、法律を武器に日々奮闘中。そんなハイブリッド弁護士がトラブルをシュッと解決!

 

【今回の相談】「妻が毎日、『バカ!』『ブタ!』『お前は無能だ!』などと、私をののしります。最近は『未亡人って憧れる』とか『保険金で家を買いたい。飛び降りちゃえば?』と、ベランダを指さして真顔で言うことも。精神的に追い詰められ、夜も眠れず、心療内科に通っています。妻の暴言を理由に、離婚したいのですが……」(40代男性・会社員)

 

【回答】「まず、妻のモラハラ発言を録音しておきましょう」(仲岡しゅん)

 

わたくしのところに離婚したいと相談に来られる方は「モラルハラスメント」、いわゆるモラハラに悩んでいるケースがとても多いです。モラハラとは、精神的な暴力・虐待のこと。身体に対する物理的な暴力とは違い、罵倒や束縛など、精神面におよぼす暴力がモラハラです。

 

問題は、このモラハラが、民法770条1項5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚事由になるかどうかです。民法770条1項5号は、1~4号まで定められている不貞行為や生死不明といった離婚事以外の夫婦関係破綻を広くカバーするものですから、精神的暴力であっても、それによって婚姻を継続しがたいレベルに至っていれば、離婚事由にはなります。

 

ですが、モラハラは立証が難しいんです。まず、ケガなどが残る身体的暴力や写真やメールを集められる不貞行為と違って、モラハラは目に見える証拠が残りにくい。そして、裁判所はモラハラと単なる夫婦喧嘩との違いをなかなか認めてくれないのです。ですから、今のあなたが何の証拠もなくモラハラを主張して離婚を切り出しても、調停や裁判で離婚は認められにくいと思います。

 

しかし、お連れ合いの暴言は、あなたの人格を軽んじ、精神的に痛めつけるもの。それ自体がモラハラであることに異論はありません。現時点での離婚ではなく、離婚するためにこれからできる方法を考えていきます。

 

まず、妻のモラハラ発言を録音しておきましょう。また、妻に言われたこと、されたことを日記に残しておきましょう。日記も使い方によっては、証拠として認められる場合があります。それから、通っている心療内科に、診断書を書いてもらいましょう。その際は「妻からの暴言が原因」と明示してもらうのも大事です。

 

ただし、今すぐにでも逃げなければ生きていけないほど追い詰められている場合、話は変わってきます。一応、夫婦には同居義務というものがありますが、正当な理由がある場合は、この限りではありません。嫌な相手からは逃げるに越したことはありませんし、あなたの命のほうがよほど大切です。

 

その際は、まず妻に見つからないところに逃げてから、わたくしのところに相談にいらっしゃい。わたくしが、力になりましょう。

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