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男性として生まれ、数年前に女性に「トランス」した男と女のハイブリッド弁護士・仲岡しゅん氏。大阪生まれ、大阪育ちの若き闘士が、みなさまのトラブルをシュッと解決!

 

【今回の相談】「友人宅の『高級シャンパン&松茸鍋パーティ』に参加。会費は1万円だったのに、松茸鍋の中身はわずかな松茸と大量のエリンギ、味は『お吸い物の素』そのもの。グラスの中身はチリ産のスパークリングワインで、シャンパンボトルはただの飾りでした! これって詐欺罪ですよね。会費を取り返せますか?」(40代女性・主婦)

 

【回答】「厳密に言うならば、お友達には詐欺罪が成立するでしょう」(仲岡しゅん)

 

刑法上、「詐欺罪」とは、「人を欺いて」財物を交付させることをいいます(刑法246条)。これを法律用語では、「欺罔行為」というわけですが、今回のご相談では、お友達の行為が「欺罔行為」といえるのかどうかが問題になります。

 

この「欺罔行為」というのは、ごく大ざっぱに言うと、「人をだますこと」。典型的なのは、嘘をつくことですね。つまり、虚偽であることを知りながら、相手にそれを伝えて誤信させることです。

 

今回のケースで問題となるのは、お友達がパーティで出した松茸鍋とシャンパン。

 

今回の松茸鍋は、「松茸だらけの松茸鍋」とは言えませんが、「ケチくさくてショボい松茸鍋」とは言えそうです。そうすると、それはその料理の品質の評価の問題であって、「松茸鍋」と称することが明らかな嘘とまでは言えないでしょう。したがって、松茸鍋については「欺罔行為」とまでは言えないと思われます。

 

では、シャンパンのほうはどうでしょう。そもそもシャンパンというのは、スパークリングワインの一種で、フランスのシャンパーニュ地方で造られたものだけに許された呼称です。ですから、チリ産のスパークリングワインを「シャンパン」と称するのは、明らかな間違いです。

 

しかも、お友達はわざわざシャンパンボトルを用意してカムフラージュしていたとなると、たまたま間違えてしまったのではなく、わざと嘘をついています。したがって、シャンパンのほうは「欺罔行為」ありと言えそうです。

 

そして、貴女はシャンパンが提供されるものと誤信して高いお金を払っているわけですから、厳密に言うならば、お友達には詐欺罪が成立するでしょう。

 

と、法律にのっとって真面目にお答えいたしましたが、実際問題、ホームパーティで出されるシャンパンごときで詐欺だと騒いでも、警察もあきれ顔でしょう。

 

見えっ張りなお友達には「この間のやっすいエリンギ鍋ごちそうさま! あ、チリ産のシャンパンもどきもね!」と皮肉るくらいでいいんじゃないかしら。

 

人生は短いんです。ムダなことにエネルギーをお使いになるのはおやめなさい。わたくしだったら、そうします。