美智子さま 被災地のホテルに希望を与えた“再訪の約束”
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「東日本大震災から8年が経ち、地盤沈下でなくなってしまった海岸線が、少しずつ戻ってきました。今年の夏には砂浜を散歩できるようになるかもしれません」

 

岩手県大槌町にある『三陸花ホテルはまぎく』の千代川茂社長が感慨深げに話す。震災前の’97年には、天皇皇后両陛下がこのホテルの前身の『浪板観光ホテル』にお泊まりになったことがあった。しかし’11年3月11日、ホテルは津波に飲み込まれ壊滅的な被害を受ける。先代の社長だった千代川さんの兄も行方不明になってしまった。

 

悲嘆に暮れる千代川さんだったが、震災から半年後、美智子さまのお誕生日写真に目を奪われる。そこには真っ白なハマギクの花が咲いていた。千代川社長が言う。

 

「それはかつて私の兄が贈ったハマギクでした。両陛下が御所で大切に育ててくださっていたのです。私は感激し、ホテルの再建を決意しました」

 

そして’16年の岩手県ご訪問では両陛下が希望され、再建された同ホテルに宿泊された。

 

「このとき私が『またお越しください』と申し上げると、美智子さまは『5年後には、砂浜が戻るのですね』とおっしゃいました。ご退位ののちには、海岸をもう一度お歩きになって、岩場に咲くハマギクをご覧いただきたいです。それが私の夢です」(千代川さん)

 

海岸を臨むホテルのテラスには天皇陛下の歌を刻んだ碑「平成の架け橋」が建立され、今年3月11日に除幕式が行われた。東日本震災直後から両陛下は、被災者を励まし、復興を見守り続けてきた。宮内庁関係者が言う。

 

「お代替わり後、両陛下は私的に被災地を訪問されることはあると思いますが、被災者へのお見舞いや復興状況のご視察は、皇太子ご夫妻や秋篠宮ご夫妻に委ねられることになります。御所のハマギクも、皇太子ご夫妻が大切に育てられるでしょう。ハマギクの『逆境に立ち向かう』という花言葉とともに、両陛下の思いも引き継がれていくのです」