12月5日、ローブ・デコルテ姿で成年行事に臨まれた /(C)JMPA 画像を見る

半年ほど前、宮内庁はある写真を公開した。それは愛子さまがお住まいで育てられた蚕の写真だった。なんと愛子さまは学習院初等科3年生のころに授業で蚕を育てて以来、毎年、卵から孵化させ、何世代にもわたって飼育を続けられているのだという。

 

「宮内庁担当記者でさえ、愛子さまが10年以上も前から蚕を飼育されていたとは誰も知らず、驚きの声が上がりました」(皇室担当記者)

 

養蚕は、明治以降の皇后が代々受け継いできた皇室の伝統であり、雅子さまも美智子さまから引き継いで、皇居の紅葉山御養蚕所に通われている。

 

蚕業技術研究所の代田丈志さんによれば、蚕の保護には手間と知識が必要だという。

 

「卵から育てる場合には、適切な時期に孵化させる必要があり、温度管理がたいへん重要になります。孵化してからもこまめに掃除をして衛生的な飼育環境を整えたり、5月の給桑の時期には毎日様子を見て1日に1回をやったりといった手間が不可欠です」

 

登校不安が報じられて以降の愛子さまは、精神的な不安定さばかりがクローズアップされてしまった印象が強い。

 

だが、実はこのころから皇室の伝統に関心を抱き“皇族としての自覚”を深めていらしたのだ。

 

課外活動にも取り組まれるようになり、4年生のころには管弦楽部へ入部。5年生からはバスケットボール部での活動も始められた。

 

’13年の演奏会では、ビオラを演奏される天皇陛下ともオーケストラで共演を果たされた。このとき指揮をした学習院OB管弦楽団の音楽監督・福田一雄さんは「オーケストラでともに練習するお友達ができたことが、愛子さまが抱えられていた問題の解決に結びついたのでしょう」と語る。

 

女子中等科に進学されると、’16年には神武天皇山陵を参拝され、両陛下と一緒にご公務として「山の日」制定記念式典にも出席された。雅子さまもこの年、誕生日のご感想で《皇族としての自覚と役割を学びつつあるようにも感じます》と記されていた。

 

その“自覚”が感じられる、一つの作文がある。女子中等科卒業にあたって記念文集に寄せられた「世界の平和を願って」と題された、広島への修学旅行での経験を綴られた文章だ。

 

《何気なく見た青い空。しかし、空が青いのは当たり前ではない。毎日不自由なく生活ができること、争いごとなく安心して暮らせることも、当たり前だと思ってはいけない》

 

広島で原爆ドームや平和記念資料館を見学された愛子さま。そこで、原爆被害の甚大さ、悲惨さに衝撃を受け、怒りと悲しみを覚えたという。

 

《日常の生活の一つひとつ、他の人からの親切一つひとつに感謝し、他の人を思いやるところから「平和」は始まるのではないだろうか。そして、唯一の被爆国に生まれた私たち日本人は、自分の目で見て、感じたことを世界に広く発信していく必要があると思う。「平和」は人任せにするのではなく、一人ひとりの思いや責任ある行動で築きあげていくものだから》

 

両陛下は愛子さまに「感謝と思いやりを大切に」と、言い聞かせてこられた。その“感謝と思いやり”は、この作文のキーワードにもなっている。

 

「愛子さまは、その言葉が皇族としての心がけにとどまらず、平和の礎でもあると、ご自身の思索の中で気がつかれたのです」(宮内庁関係者)

 

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