「天皇陛下の冠動脈バイパス手術は本日11時1分に執刀開始し、3時間56分後の14時57分に終了いたしました」

2月18日、金澤一郎皇室医務主管は記者たちにそう発表した。天皇陛下の手術は’03年の前立腺がんの手術以来9年ぶりだが、”天皇陛下の心臓手術”は史上初のこと。手術終了後に会見に臨んだ医師団からは、ICU(集中治療室)での天皇陛下のご様子も明らかにされた。手術中、美智子さま、黒田清子さんは別室でお待ちになっていたという。

前立腺がんの際は、検査結果の発表から手術までの期間が3週間あったが、今回はわずか1週間。また東大病院に順天堂大学の医療チームがきて行う、まさに”異例ずくめ”の手術だった。執刀医に選ばれたのも、現在バイパス手術に関しては世界一の実力を持つともいわれているが、”東大閥”とは縁もゆかりもない順天堂大学の天野篤教授だ。

「東大医学部出身者が多い虎の門病院や三井記念病院も、バイパス手術の症例数は、それなりにあるのですが今回は選ばれませんでした。金澤一郎皇室医務主管もそうですが、東大医学部出身としてはかなりショックな出来事です」(東大病院関係者)

”陛下の手術は日本一のバイパス手術のスペシャリストにお願いしたい”と、美智子さまが訴えられていたこともあり、その願いが日本医学界の派閥力学よりも優先されたというのだ。そんな天野教授の抜擢については、皇太子ご夫妻に近い人物も驚いたという。

「奇縁という言葉が適切かはわかりませんが、雅子さまのお父さま、小和田恒さんは’09年12月、77歳で順天堂大学医学部附属順天堂医院に入院して心臓のバイパス手術を受けました。その手術を担当したのが天野教授だと聞いています。雅子さまの実父である小和田さんと、義父である陛下が、同じ医師によるバイパス手術を受けたことになります」

当時、本誌も順天堂病院に見舞いのために通う小和田優美子さんや、退院する小和田恒氏の姿を報じている。そして2月16日、陛下の無事を祈るための皇居の記帳スペースには、かつて同じ手術を経験した小和田氏と妻・優美子さん2人の姿があった――。

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