10月13日、両陛下は福島県の川内村を訪問された。福島第一原発事故による除染作業のご視察だった。除染作業中の民家に住む渡辺吉子さん(72)は次のように語る。

「両陛下には、こんな山のなかにまで来ていただいて、大変ありがたいです。皇后さまからは”お身体は大丈夫ですか”といった優しい言葉をかけていただいて……。お顔を拝見したら、何だか元気が湧いてきました」

昨年4月に千葉県を訪問されて以来、両陛下の被災地お見舞いは通算7度目だが、現地の自治体などに配慮されてほとんどが日帰りの日程に。13日も、朝9時過ぎに御所を出発され、ご帰宅は夜8時過ぎと、11時間に及ぶ強行スケジュールとなった。現地では坂を登る際に、天皇陛下が美智子さまの腕をとられ、支えるようにして歩かれる場面もあった。

最近、美智子さまは長年のご親交がある友人からご体調について尋ねられたとき、「まだ左手の痺れもなくならなくて……。ピアノのレッスンがリハビリになればいいのだけれど」と漏らされたという。美智子さまが『頚椎症』と診断されたのは7年ほど前。症状の悪化が発表されたのは昨年7月のことで、美智子さまは左肩や腕にかけての強い痛みや左手の痺れなどを訴えられ、ご公務を休まれた。

「我慢強い美智子さまが、ご公務をお休みされたほどですから、かなりの激痛だったはずです。現在もまだお痛みも続いていて、起床された直後などが、特におつらいそうです。ご闘病やリハビリも15カ月にもわたり、人知れず続けられていたのでしょう……」(皇室ジャーナリストの松崎敏弥さん)

昨年あらためて発表された病名は『頚椎症性神経根症』。加齢によって頚椎の弾力が失われたため、脊髄から分かれて上肢に向かう神経根が圧迫されて痛みや痺れが生じるのだという。大分県・藤垣クリニックの藤垣徹院長はこう語る。

「鎮痛剤の投与やリハビリなどで症状が落ち着いても、首に負担のかかる姿勢をとることで、痛みが再発することが多いのです。美智子さまは、首が細く、体つきもスラっとされていて、首に負担のかかりやすい体形といえます。またテレビで拝見しても、お話を聞くときには、やや前のめりになられ、熱心にうなずかれていらっしゃいます。ご年齢とご公務の多忙さを考えれば、症状がなかなか緩和しなくてもおかしくありません」

10月20日に78歳のお誕生日を迎えられる美智子さま。例年、お誕生日には御所にご家族も集まられ、お祝いの行事も開催される。そうした安らぎの時間が、体調不良との闘いを続ける美智子さまのお心の支えとなっているに違いない。

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