10月15日から17日までの3日間、三重県の伊勢神宮では、もっとも重要な祭祀とされる『神嘗祭』が行われた。

『神嘗祭』は、天皇陛下が皇居で栽培された稲の初穂をはじめ、全国の農家からの稲束が献納され、五穀豊穣や国家の繁栄を祈るもの。今年、臨時祭主を務めたのは天皇皇后両陛下の長女・黒田清子さん。初奉仕となった5月の『神御衣祭』以来、5カ月ぶりの祭祀出席となった。

神に夕食を供える儀式『由貴夕大御饌』、朝食を供える儀式『由貴朝大御饌』は15日夜に外宮、16日夜は内宮でそれぞれ行われた。同様に昼に天皇陛下の勅使を迎えて、幣帛と呼ばれる白絹の布などを奉納する『奉幣の儀』、夕方の『御神楽』も、外宮と内宮でそれぞれ営まれ、神事は3日間昼夜なく続いた。

「肉体的な疲労だけでなく、大勢の神職たちを取り仕切るお立場なのですから、精神的な重圧もとても大きいと思います。それにもかかわらず、黒田さんはいつも凛としていらして、所作もしっかりされています。神職たちからも”お若いのに、さすが生まれながらの皇族でいらっしゃる”という感嘆の声もあがっているのです」(伊勢神宮関係者)

そして最終日にあたる17日、雨の降るなか清子さんが伊勢神宮の内宮での奉幣の儀を行っていたころ、皇居の賢所では、天皇陛下と美智子さまが『神嘗祭賢所の儀』に出席されていた。伊勢神宮の祭主は祭祀を天皇陛下の代理として執り行う役職である。戦後、伊勢神宮の祭主は代々”天皇の娘”が努めてきた。清子さんが臨時祭主に就任したのは今年の4月のこと。高齢の神宮祭主である天皇陛下のお姉さま・池田厚子さん(昭和天皇の四女)の補佐を務めるためだった。

「実は黒田清子さんは一度、臨時祭主就任を断られたそうです。理由はつまびらかにされてはいませんが……。ですが、池田厚子さんが天皇陛下に”清子さんに助けていただきたい”と相談し、そして美智子さまが清子さんを説得され、ついに就任が決定したそうです」(伊勢神宮関係者)

美智子さまの愛娘・清子さんへの信頼の強さについて、文化女子大学客員教授の渡辺みどりさんはつぎのように語る。

「祭祀は天皇家のもっとも大切な”家業”といえます。そのことを美智子さまは、繰り返し清子さんにもお小さいころから教えられ、自らお手本も示されたのです。結婚前の清子さんも、宮中祭祀に非常に熱心だったそうですが、まさに美智子さまの薫陶のたまものです。清子さんが臨時祭主を立派に務めている様子を聞かれて、美智子さまも誇らしく思われていることでしょう」

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