「会長に就任した籾井さんは、極端に“左寄り”の局員の情報を寄こすよう、局の幹部に言っていると聞きました。6月の人事で、報道から“左寄り”の人を外したいということなんでしょう」(現役NHK職員)

 1月25日の就任会見で、私見をまくし立て顰蹙(ひんしゅく)を買ったNHK新会長の籾井勝人氏(70)。彼は安倍政権に異を唱えるようなリベラル派の記者を排除しようと密かに動き出しているというのだ。じつは籾井氏の就任前から予兆はあった。そう話すのはあるNHKのOBだ。

「自民党の関係者から『NHKの原発報道はやりすぎだ』という意見が寄せられ、それが番組の内容に反映されていると聞く。時の政権に圧力をかけられたのは、これまでにもあった。だが、今までは政府と対抗してやってきたのに、最近は政府に抵抗しようという意識が希薄になっている」

 1月29日、東洋大学の中北徹教授がNHKラジオで原発再稼働問題を扱おうとしたところ、局に止められ、自ら番組を降板したことが判明している。だが、NHKの政権側への配慮は報道に限った話ではない。じつは、大河ドラマでも安倍首相を意識した決定が下されていたという。ドラマ制作に携わる局員が明かす。

「来年の大河ドラマは、幕末を舞台にした『花燃ゆ』に決まりました。主人公は吉田松陰の妹の杉文(すぎふみ)……。恐らくだれも知らない人物だと思います。昨年の『八重の桜』も、主人公に知名度の低い人物を据えて、視聴率で苦戦した。にもかかわらず、複数の候補からこの作品が選ばれたのは、吉田松陰が安倍さんの地元山口県が生んだ英雄で、安倍さん自身が松蔭のことを尊敬しているから。安倍さんの顔色を窺ってのことなんです。現場では『数字は獲れないけれど、仕方ないな』という雰囲気になっていますね」

 NHKに問い合わせたところ、リベラル派記者の名前を探っていることや、大河ドラマが安倍首相に配慮して決定されたことについて、否定する回答を寄せてきた。本紙記者は都内にある自宅マンションから迎えの車に乗り込む籾井氏に声をかけたが、彼が取材に応じることはなかった。

(週刊FLASH2月18日号)

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