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『下町ロケット』は後編の「ガウディ計画編」に突入したが、殿村直弘経理部長を演じる立川談春(49)の存在感は、さらに増している。役柄は「愚直で真面目な男」だが、素顔も「クソ」がつくほど真面目で−−。25年来のつき合いで、談春が「兄さん」と慕う歌手のさだまさしさんに「真面目エピソード」を聞いた。

 

「本来は器用なヤツじゃないんですよ。ややこしいことを言われるとパニックになっちゃうほど。ただ、なんでも生真面目にやる努力の人。たとえばゴルフ。雨の日でも平然と真面目にコースを回る。『本当にゴルフが好きなんだな』って伝わってきて、好感が持てるけど、つき合うこっちはたまらない(笑)。奥さんがミスショットをすると、本人も一緒に深刻に悩んでアドバイスするほど真面目。スコア?90を切るんじゃないかな」

 

そして「恥ずかしがり屋」で「気配りの人」でもある。語るのは弟弟子の立川志らくさんだ。

 

「恥ずかしがり屋のうえに気が小さいから気持ちをうまく伝えられないんです」

 

なにやら、佃製作所の殿村部長にそっくりでは……。志らくさんが続ける。

 

「大勢で飲みに行ったときのことです。談春兄さんは全員の終電の時間を調べていたんです。だけど『おい、そろそろ帰れよ』とは言えず『いつまでも、いるんじゃねえ』って言っちゃう。ちょっと退屈そうにしている人を見ると『つまらねえなら、帰っちまえ』ってなる。本当は退屈そうだから、注目されるようにしてあげたんですけどね。だから、人柄を知らない人が聞くと『おっかねえなあ』ってなる。聞いた話ですが、大阪の寄席に呼ばれてお邪魔したとき、先方の一門のお弟子さんたちがズラリと談春兄さんを出迎えてくれたそうなんです。そういうときは『ありがとよ』とお礼の気持ちで、お弟子さんたちに扇子や小遣いをあげるんですが、素直に言えず『お前たち、銭が欲しいのか』って(笑)」

 

なかなか難しい御仁だが『下町ロケット』で共演した春風亭昇太さんは若手のころからのつき合い。ドラマ出演にあたり、その生真面目さを感じた。

 

「初めてのドラマ出演だったので、本番前に電話したら、『私もちょうど電話しようと思っていたところなんですよ』って気遣ってくれました。そして、撮影の段取りやカメラ位置などを丁寧に教えてもらいました。それを聞いていなかったら、現場で集中力を欠いていたでしょうね。談春師匠は『ルーズヴェルト・ゲーム』にも出演しましたが、“次回作も”という気持ちだったのでしょう。スケジュールを空けていたそうです(笑)」

 

(週刊FLASH12月8日号)