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「僕は台本を読みません。だって『くいしん坊! 万才』は、料理番組ではなくドキュメンタリー番組だと僕は捉えていますから。先に台本を読むとイメージが出来上がってしまうので、用意するのは“心の準備”だけ。どれだけ美味しく食べる準備ができているかということですね」

 

松岡修造(48)は2000年1月から11代目の『くいしん坊』を務めている。今年40周年を迎えた国民的長寿番組を15年間。もちろん、歴代最長だ。

 

「年間10カ月は海外生活を送っていた現役を退いて最もやりたかったことが、日本を旅していろんな文化や食べ物を知ること。そのなかで、ちょうど『くいしん坊』のお話があり、逆に僕がプロデューサーさんに「僕は絶対向いてます!」とプレゼンしたくらい(笑)。

 

僕は『くいしん坊』では「人間味」も味わっていて、それにプラスされた一人ひとりのストーリーが美味しさを増すと思っています。僕はいつも自然でいられることが自分の才能だと思っていて、“演じる”ということを考えたことがないんです。

 

確かにテニスのプレー中は演じてました。ポイントを失ったときでも自分は強いという態度を取るわけですから。そういう意味では僕は演じることは不得意じゃないんです。

 

だけど、自然の中で出るものこそいちばん視聴者に訴えられるものだと思っていて。食事やワインの本を読んでコメントの参考にしようとしたけど、食べる前から決められた言葉なんてなんの説得力もないと気づいて。この番組に対しては自然体でいること、素直に表現することを大事にしています」

 

自分でも珍しいくらい趣味がないと話す松岡だが、あえて言うなら、食べることと応援することが趣味なのだという。

 

「この番組は美味しいものが食べられるし、作り手や生産者の応援をしている。まさにゼロ・ストレスの現場です(笑)。同世代の成功した人たちを見ると時計や服、車など何かひとつくらい趣味を持っているんです。

 

でも僕はそこには興味がない。ただ、食事は唯一いくらお金をかけてもいいと思えるもの。それは選手時代からずっと変わりません。

 

たとえば基本的にお寿司屋さんには一人で行くんですけど、そこでの集中力は日本のなかでもトップに入れると思います。美味しく食べられるこだわりの呼吸法や口への運び方とか。べつにこだわる必要はないんでしょうけど(笑)」

 

現役当時、唯一の自分の時間が食事だったから、それを「どう楽しむか」というのがリラックス方法だった。そんな松岡の食の原点は「家族で食卓を囲むこと」だった。

 

「もともと、家族で一緒にご飯を食べるのが大好きなんです。父の影響なんですけどね。母は夕食時、最低3時間かけて料理を作るという考え方だったので、生地から作るラザーニャを家族みんなで会話しながら食べることが大好きだったんです。

 

妻も時間をかけて料理を作ってくれます。僕は料理はまったくしません。自分で作るよりプロが作ったものが美味しいですしね(笑)。今は子供の習い事とかもあるし、なかなか家族全員の時間が合わないことも多いけど、家族は史上最大の味方ですから!」

 

(週刊FLASH 2015年11月24日号)

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