ついに最終作となった『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』が大ヒット公開中だ。そこで’97年のテレビドラマシリーズから演出として参加し、映画シリーズ4部作すべてで監督を務めた本広克行氏(47)に「名シーンが生まれた瞬間」を語ってもらった。

「『踊る大捜査線』の名シーンというと、まずは去りゆくバックショットですね。場面から去っていく人の後ろ姿。それは15年間大事に撮ってきたからいっぱいあるんですよ。いかりや(長介)さんから始まって、織田(裕二)さんに柳葉(敏郎)さん、深津(絵里)さん……。みんな思い入れのあるシーンです」

しかも、必ず雨が降るのだという。

「今回も深津さんのバックショットがあるんですけど、あの時だけ雨が降りまして……。これは何かあると思って、雨が写り込んでいいからとOKにしたんですけど、最終回もか、と。これはもう伝説ですよね()

ふだん何かをしない人たちがちょっと違う行動パターンをすると、そこはやっぱりキュンとなるもの。監督はそれを全部、クライマックスで持ってくるという。

「すみれは泣かない、叫ばないっていうキャラなんですが、だからこそ彼女の涙というのがグッとくるワケです。たとえば『MOVIE3』のときだと、青島のことを思ってスピーチするときに涙がバーッてなる。今回のも最後、涙が落ちるシーンがあるんですけど、じつはあれは台本に書いてない。本番でいきなりです。で、ボクは『うわーっ、涙出た!』って」

そして、なんといっても青島と室井が至近距離で向き合うというカット。シリーズを通して特徴的な名シーンといえるだろう。

「たとえば連ドラの最終回で室井が青島の胸ぐらを掴んで自販機にガーンと押しつけて語り合うシーンとか。あの2人が揃うと、男としてはグッとくる。会話はなくても目と目が合うだけで、友情とか無言の絆を感じさせるというか、緊張感を発しますよね。すごいことだと思います。今回の『FINAL』でも青島と室井がぐわって向き合うシーンがあるので注目してほしいと思ってます」

本広監督、最後にはこんなメッセージをくれた。

「やっぱ最後ですから、自分たちがやりたいことを表現しました。”重み”みたいなものは映画じゃないと表現できませんから。ぜひ映画館で観てもらって『踊る〜』を心に刻んでもらいたいですね。15年間やってきた……。これで、もう最後なんで」

(週刊FLASH 109日号)

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