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国立がん研究センターが8月に発表した’13年の症例数で、大腸ガンは最多の約9万2,000例。今年の死亡者予測数も男女合わせて約5万600人と、肺がんに次いで2位だ。

 

「『おなら』で大腸ガンがわかるのでは」

 

名古屋大学エコトピア科学研究所八木伸也教授の研究チームがこんな研究に着手したのは、10年前のことだ。

 

「22人の大腸ガン患者のおならを採取し、健常者の成分と比較しました。すると、腐った玉ねぎのような臭いがする無色の気体『メタンチオール』が10倍以上検出されたのです」(八木教授)

 

食べ物の影響をみるため、硫黄分を多く含むゆで卵を1日10個食べるグループと比較しても、ガン患者の数値は極端に高かった。だが、人間が1回に放出するおならは100cc程度。研究は困難を極めた。注目したのがナノ粒子だ。

 

「採取する袋の内側に、金属の微粒子をつけた1センチ程度の基盤を取りつけ、そこに吹きかければ、ガス成分が吸着するのです。近い将来、人間ドックに採用されると、安価で体に負担が少ない検診になるはずです」(八木教授)

 

もうひとつの最新研究、米国立衛生研究所の小林久隆主任研究員はこう語る。

 

「無害な光を数分間当てれば、体内のガン細胞が死滅する。しかも正常な細胞を傷つけることはないんです」

 

これが「光線免疫療法」だ。まず、近赤外線を受けて発熱する化学物質と、ガン細胞に結びついたタンパク質(抗体)とでてきた薬を患者に注射する。その部分に、テレビのリモコンにも使われている「近赤外線」という無害な光線を当てるのだ。

 

「現在のおもなガン治療は、手術、抗がん剤、放射線治療など、患者の正常な細胞にも大きな負担をかけるもの。ガン細胞だけを選んで破壊する方法はなかったのです」(小林研究員)

 

米国での治療は順調に進んでおり、日本でも2年後の治験開始を目指す。

 

「大腸ガンは、現在進めている頭頸部ガンに次ぐ、最適なターゲット。早期に実現できると考えています」

 

現在は、大腸ガンに近赤外線を当てるための内視鏡を、オリンパスと共同開発しているという。

 

(週刊FLASH9月29日・10月6日号)