川崎市川崎区の多摩川河川敷で昨年2月、市立中学校1年の男子生徒=当時(13)=が殺害された事件で、殺人と傷害の罪に問われたリーダー格の無職少年(19)の裁判員裁判の初公判が2日、横浜地裁(近藤宏子裁判長)で開かれた。少年は起訴内容を認め、「やってはいけないことをしてしまったと反省しています」と述べた。

 

少年3人が起訴された事件で初めての裁判。殺害の動機や少年の成育歴などの情状面を踏まえ、量刑の判断が主な争点となる。

 

起訴状によると、リーダー格の少年は昨年1月17日午前2時ごろ、横浜市港北区の駐車場で男子生徒の顔面を数回殴るなどして全治2週間のけがを負わせた。翌2月20日午前2時ごろ、知人で18歳の少年2人=いずれも傷害致死罪で起訴=と共謀し、多摩川河川敷で男子生徒の首をカッターナイフで複数回切るなどして殺害した、とされる。

 

検察側は冒頭陳述で、男子生徒を殴ってけがを負わせた1月の事件をめぐり、男子生徒の知人らが少年を問い詰めるために自宅に押しかけたトラブルが殺害の動機につながったと指摘。男子生徒から知人らに伝わったことに少年が怒りを募らせていたとした。

 

また、少年は男子生徒を河川敷に連れて行った際、恐怖感を与えてやろうとナイフで男子生徒の左頬を数回切り付けたが、「中途半端に帰すと(警察に)逮捕されたり、(男子生徒の知人らに)報復されたりする。殺すしかない」と決意したと説明した。

 

一方、弁護側は「当初は痛めつけるだけのつもりだった。切り付けているうちにどうしていいか分からなくなり、瞬間的に爆発してしまった」と説明。事件が起きた原因については「成育環境に問題があり、暴力以外で解決する方法を知らなかった」と主張した。

 

弁護側の被告人質問で少年は、犯行当時の心境について「(2人の少年に)止めてほしい気持ちもあったが、(男子生徒に)告げ口されて報復を受けるのが怖くてやめられなかった」と説明。亡くなった男子生徒に対する気持ちを問われると「やってはいけないことをしてしまったと反省しています。謝ることしかできません」と述べた。

 

裁判は3日連続で審理される。3日は検察側の被告人質問などが行われ、4日に結審する見通し。判決期日は未定。

 

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