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(写真・神奈川新聞社)

中華圏の旧正月「春節」に当たる8日、箱根町は中国や台湾などから訪れた多くの外国人観光客でにぎわった。昨年、大涌谷周辺の火山活動活発化で打撃を受けた客足を取り戻そうと、箱根ロープウェイの駅では外国人向けの恒例のイベントを開催、湯本地区などは多くの外国人客が訪れた。ただ、戻ってきた客足にひと安心しつつも、5日の桜島(鹿児島県)の噴火に「昨年を忘れてはいけない」という戒めの声も聞かれた。

 

大涌谷周辺の濃い火山ガスのため一部区間(姥子-桃源台間の約1・2キロ)での運行が続く箱根ロープウェイの桃源台駅では、小田急箱根ホールディングス(HD)が6日から8日にかけて日本文化体験を狙いとしたキャンペーンを実施した。

 

8日には、箱根湯本芸能組合の芸者が舞を披露。外国人観光客が撮影を楽しむ姿が見られた。台湾から訪れていた会社員の男性(29)は「温泉が好きで旅行先に選んだ。温泉につかったけどよかったよ」と話していた。

 

ただ同HDの関係者からは「例年より同駅を利用する観光客が少ない印象」といった声も上がる。ロープウェイの一部運休などが影響しているのではないかと分析する。

 

強羅地区の土産物店の男性店主は、「8日の昼すぎごろから、中国などからの家族連れの観光客が増えてきた。(昨年の火山活動活発化の影響で)観光客の数は例年に比べ少ない印象なので喜ばしい」と話す。湯本地区でも、ある温泉旅館は例年並みの客入りといい、「(春節に合わせて来訪する)外国人観光客が全体の宿泊客の8割程度を占めている」。

 

町では昨年11月に箱根山の噴火警戒レベルが最低の1(活火山であることに留意)に引き下げられ、観光業などの基幹産業が回復傾向にある。同時に昨年の火山活動活発化が観光客の間で風化しつつある中、観光業者からは5日の桜島の噴火などに触れ「観光客を含めて、忘れてはいけない」といった声も聞かれた。

 

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