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(写真・神奈川新聞社)

障害者の労働の可能性を広げたいと、NPO法人「就労継続支援A型事業所全国協議会(略称・全Aネット)」が28日、発足した。A型事業所では初の全国組織で、障害者の権利保障、研究活動、制度改革への提言などを行っていく。

同法人は鎌倉市のバニーフーズなど61企業、平塚市の進和学園など25社会福祉法人、45NPO法人など計約140団体・個人が結成に参加。この日、都内で開かれた設立総会には関係者ら約230人が出席し、理事長には進和学園統括施設長の久保寺一男さんが就任した。久保寺さんは「A型事業所は障害者の、より多様な働き方を実現できる可能性がある。重度の障害者も労働者として生活していける場にしていきたい」と抱負を語った。

障害者総合支援法は、企業などへの一般就労が困難な障害者に対し、訓練や支援を受けながら働く場として、就労継続支援A型(雇用型)、同B型(非雇用型)などの就労系障害福祉サービスを設けている。

A型では、事業所が利用者と雇用契約を結び、最低賃金など労働法規が適用される。2014年3月現在で全国に2054事業所があり、3万6730人が利用。平均賃金月額は13年度で約6万9千円。

近年は企業などの参入で事業所、利用者が急増しているが、助成金・給付金目当てのもうけ主義や、利用者に十分な処遇をしないなどの問題事業所の存在も指摘されるようになった。

一方で既存事業所の中には、利用者に最低賃金を保障するだけの収益確保に苦闘している現状もある。現状に危機感を持った県内のA型事業所などが全国に呼び掛け、初の全国組織をつくった。

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