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(写真・神奈川新聞社)

プロ野球の日本生命セ・パ交流戦は31日に開幕し、12年目を迎える。昨季に続いて各チームが18試合を戦い、両リーグが所属球団の合計勝利数を争うリーグ対抗色の強い方式で行われる。

各カードとも本拠地と敵地での3試合を隔年で行うため、優勝チームは決めない。通算勝利数で勝ち越したリーグの6球団には順位に応じて100万円から1千万円、最高勝率球団には500万円の賞金が贈られる。

リーグ4位まで浮上した横浜DeNAは31日からの西武3連戦(西武プリンス)でスタート。モスコーソ、石田、中5日の井納が先発する。

交流戦では過去11年間で8度負け越し、特に昨季は3勝14敗1分けで最低勝率という不名誉な記録をつくった。12球団トップのチーム防御率を誇る投手陣がどこまでパの強打者を抑えられるかが焦点になる。

30日は横須賀市長浦町のベイスターズ総合グラウンドで調整し、先陣を切るモスコーソは「勢いを付けられるように勝ちたい」と話し、5月だけで4勝した石田は「良い打者と対戦できるのはうれしい。逃げずに向かっていきたい」と力を込めた。

ラミレス監督は「セ・リーグが混戦なので一試合、一試合を大事にしたい」と平常心を強調していた。

■「新人離れ」の戸柱 好調投手陣けん引
球団史上初めて新人ながら開幕戦のマスクをかぶった戸柱恭孝は、もはやチームに不可欠な存在だ。ここまで52試合を終えて43試合に先発。12球団ナンバーワンのチーム防御率3・06の投手陣を支える正捕手が交流戦でもキーマンになる。

「(自分を)ルーキーとはもう思いたくない。ここまで任されているんで」。確かに、駒大、社会人のNTT西日本を経て入団してきた26歳に浮ついたところはない。ここまで光っているのは強気なリードだ。

「内角に投げられない投手は使わない」というラミレス監督の方針の下、打者の胸元への配球に臆さない。28日の広島戦では2-1の七回2死満塁で代わった2番手須田をリード。菊池に対してインコースへの直球で布石を打つと、最後は一転した変化球で見逃し三振に切って取った。

首脳陣の評価も上々だ。進藤ヘッドコーチは「アウトローの無難さに頼らない」と話し、指揮官も「頭脳明晰(めいせき)で、ミーティングで話したことも選手個々の特徴も記憶にとどめられる。自分たちの考えを忠実に再現してくれる」と語る。

体もしっかり張っている。昨季はプロ野球シーズン最多タイの68暴投を記録したが、今季は3分の1以上を消化して16暴投(うち高城1)。「どんなボールでも止めてくれたら投手は安心して投げられる。もっと減らしたい」。開幕前から高城と2人で行っている早出の特守を欠かさない。

鬼門の交流戦には「怖いですね」と言いながらも「先入観で自分を変えないようにしたい」と力強い。パでチーム打率、本塁打ともにトップの西武打線を封じる策を考える。それはいつものオフの過ごし方と変わらない。

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