(写真・神奈川新聞社)
県央地域で道路整備の遅れが相次いでいる。新東名高速道路は海老名南ジャンクション(JCT)から厚木南インターチェンジ(IC)までの区間開通が約1年遅れの2017年度末になる予定。海老名駅周辺の市道上郷河原口線はJR相模線・相鉄線横断部の地下化で工法の変更を迫られ、完成が約2年延びる見通しも示された。新たな交通の結節点と期待される周辺の交通渋滞緩和に影響が出そうだ。
中日本高速道路によると、整備が遅れている新東名・海老名南JCT-厚木南ICの区間は相模川を横断する約2キロ。09年度に着工、当初16年度末の完成を予定していたが、用地取得や地盤改良に時間を要しているため修正した。
新東名ではこのほか、以西の厚木南IC-伊勢原北IC(約7キロ)が18年度、伊勢原北IC-秦野IC(約13キロ)と秦野IC-御殿場JCT(約32キロ)が20年度にそれぞれ完成する予定で、現状では変更はないという。
圏央道の開通以降、東名・厚木ICに隣接する厚木、海老名両市の周辺地域には物流拠点を中心に企業進出が活発化。先行供用となる新東名の海老名南JCT-厚木南IC区間は、全線開通までの間、圏央道へのアクセス道路として交通分散化による渋滞緩和も期待される。
一方、都市開発が本格化している海老名駅西口地区への進入路になる市道上郷河原口線(約700メートル)。今年2月に部分着工したが、用地取得率は57%(3月末)と難航しており、開通時期のめどは立っていない。
もう一つの課題であるJR相模線・相鉄線の横断部(約25メートル)の地下化(アンダーパス)工事については、海老名市と鉄道事業者との協議の結果、鉄道の運行安全に配慮して機械式から人力式に掘削工法を変更する方針をこのほど決定した。
市道路整備課によると、工法変更により、経費は23億3千万円から29億9千万円にアップ、完成は18年度から20年度にずれ込む見通しになったという。